業界が慢性的な人材不足にあえぐ中、川越市今福のソレイユ訪問介護事業所(中川富美子所長)は、独自研修の導入や手当の充実などで、ホームヘルパーの定着を高める工夫をしている。(中略)
別の事業所で働いた経験のある職員は「以前は教育も受けず、不安な時もあった。今は納得して仕事をしている。所長や仲間にいつでも相談できるので心強い」と話す。
労働環境は悪いし不安定、賃金は安い、仕事はハードと、とても過酷なホームヘルパー。わたしは介護保険立ち上げ直前にこうしたヘルパーの仕事を取材していたが正直、ここまで状態がよくならないとは思っていなかった。むしろ悪化している。
記事にもあるが構造的な面から考えても今後、ヘルパーの賃金は大幅に上昇する可能性は少ない。かといって、現状を放置するわけにもいかない。なんせ、利用者が山ほどいるのだから。
そこで、記事で紹介されているソレイユ訪問介護事業所では、スタッフのモチベーションが高まるような研修に力を注いでいる。
そんなことしたって給料は上がらない。そう冷笑する人もいるかもしれない。しかし、そもそもこうした仕事をする人の多くは、賃金以上に仕事へのやりがいを求めていたはずだ。実際、ソレイユ訪問介護事業所の離職率はとても低いという。
わたしが属している出版業界も同じような状況だ。賃金は安いし、仕事は過酷。そのため離職率はハンパなく高い。それでも働きたいと考える人が多いのは、やはりやりがいがあると思われているからだろう。わたしだって、こんな劣悪(いやもうほんと、ひどいです)な環境を耐えているのは、多少なりともなやりがいを感じているからだ。
話が剃れた。現実的にはヘルパーの6割が「希望を持てない」と答えている(キャリアブレイン)
ヘルパーの地位を向上させる上で欠かせないのは、やはり利用者を中心とした世論を動かすこと。
利用者の無自覚や無知もヘルパーのモチベーションを下げることにつながるし、能力ある人材が離れていってしまう。
ヘルパー対施設(運営者)・行政という対立構造を脱して、利用者とヘルパーとが理解し、納得しあえる環境が整うことが遠回りにみえて実は近道だったりするのではないか、と思ってしまう。
