東京都東大和市の特別養護老人ホーム「さくら苑(えん)」で、入居していた89歳の女性が浴室で頭を打って死亡する事故があり、同苑は29日、職員の介助の仕方と施設の管理に過失があったことを認めた。
すでにご存知のとおり、先月29日に東京都東大和市の特別養護老人ホーム「さくら苑」で入居者の死亡事故が起きた。
苑の規則では、入所者を抱えて移動する場合、職員二人ですることになっており、同法人は単独での移動が死亡事故の原因とみている。しかし、同法人の調査に、死亡した女性の入浴介護を担当した男性職員(51)は「以前にも、小柄な女性を一人で持ち上げることがあった」と証言。ほかの職員も、過去に一人で入所者を移動させていたことを認めた。同苑は春ごろ、単独で入所者を移動しないように、職員を指導していたという。
特養ホームさくら苑:死亡事故 「1人介護」常態化 /東京(毎日新聞)
同日、会見した米持苑長によると、男性職員は以前から1人で女性を抱きかかえてベッドに移していた。当時、浴室内にいた女性職員も別の入居者の入浴介護中で、落下を見ていないという。同苑はこうした「1人介護」を知りながら、指導を徹底していなかった。
この事故の原因はどこにあるのか。
さくら苑の責任者は、事故が起きた原因のひとつとして次のような3点を挙げている。
転落は過失との認識を示したうえで、(1)単独で介護した(2)職員の介護技術に問題があった(3)介護システムにも問題があった−などを事故原因として挙げた。
よくよく読んでみるとなんとも曖昧で、介護技術に問題のあった職員が単独で介護をしたことに問題があるような言い回しだ。
そうだろうか。
さくら苑は、介護職員が1人で介護していることを知りながら何らかの対策などを取っていなかったと報道されている。亡くなった入居者の心身状態がわからないが自立歩行ができない場合、その体を介護者1人で入浴介助させること自体、無理があるのではないだろうか。
昨年の性的虐待事件以降決めたのかどうかはわからないが、そもそも苑の規則では、入所者を抱えて移動する場合、職員二人ですることになっているそうだ。つまり、施設側も1人での介護の危険性は認識していながら、その1人介護を見てみぬふりをしていたのだ。
わたしは介護従事者ではないので介護の現場を知らない。しかしネットなどで調べるかぎり、その実態は苛烈を極める。数十人の要介護者を2人で、限られた時間のなか入浴させなければならない状況というのはいくらでもあるそうだ。
昨年8月に男性職員による女性入居者に対する性的暴言事件が起きたことは記憶に新しい。その後、東京都から介護保険法91条に基づく、改善勧告が出され、東京都などからの補助金が打ち切られたそうだ。
経営も厳しく、労働環境にしわ寄せが行っていることは間違いない。
だからといって、入居者を生死の危機にさらし、労働者を訴訟問題など法的社会的危機にさらすことは許されないと思う。
介護保険自体、抜本的に見直す必要があるのだろう。
