介護予防の強化を柱とする介護保険法改正案は16日の参議院厚生労働委員会で、自民、公明、民主3党の賛成多数で可決された。来週にも開かれる国会延長後の参院本会議で可決され、成立する見通し。
無事成立、と素直に喜べない人は少なくないはず。
私もその一人。
というのは、今回の改正案のおかげで、「介護予防」とか「パワリハ」とか、「高齢者の筋力トレーニング」ということが、世論的に「高齢者を無理に鍛えるのはいかがなものか」みたいなノリになってしまったからだ。
どうしてそうなってしまったのだろう。私なりにかなりうがった観方で、この原因を考えてみたい。
私はかつて、介護予防のモデル事業がスタートしたころ、パワリハに取り組む某研究会を取材したことがある。当時から、パワリハに取り組めば要介護4の高齢者が自分で起き上がれるようになった、などという実例は注目の的だった。
ただ、その実証は統計的に裏づけされるには到底いたらず、医師やリハビリの専門職からは、「その効果は個体の状態による」というあいまいな判断しかされていなかったように思う。
それでも、介護予防に熱心な研究者やマスコミのなかには、「これはおもしろい」と感じていた人も少なくなかっただろう。私もその一人だ。
しかし、まだまだ研究課題は多く、そもそも統計的にだいじょーぶなのかなあとも思っていた。
それがいつのまにか、国策にまでのぼりつめてしまった。
大出世だ、まったく。
はっきりいって、早すぎる出世だと思う。
その裏には何があるのか。
それは当然、ゼニの問題が大きい。
どうしたってこのままいけば、都道府県レベル、いや国レベルで介護保険財政は破綻する。だからといって、給付を制限しては「保険」の概念が崩壊してしまう。まして公的保険である。そんなことは到底できない。
そこでかぎとなるのが「予防」である。
しかも即効性のある「予防」。
予防すれば、介護保険を使う高齢者は少なくなり、財政的にも安定する。
介護予防をどうして介護保険でしなくちゃならんのか。
介護予防なんか取り込んだら、余計に介護保険財政は破綻しないか。
そんな反対意見?があるなか、厚生労働省が「介護予防」を押し通すために、「介護予防」はちゃんと効果があるとPRする際に、一押ししたのが「パワリハ」だったのではないかと思うのだ。
もちろん、食事改善などの介護予防メニューも用意しているが、そんな長期的スパンで効果があがるかもしれない介護予防メニューを全面に打ち出しては予算は取れないし、国民や専門職種のコンセンサスは得られない。
だから、効果があるようだし、見た目にもすごそうなw、パワリハを事実上全面に打ち出していったのではないか。
その結果、専門誌や業界誌などはさかんに「パワリハ」の効果を取り上げ、与党なども「介護予防」という聞こえのよい施策に飛びついた。そして、介護保険改正案は無事参院を通過した。
そこに、報道各社が飛びついた。
「どうやらパワリハの効果は科学的にも統計的にもしっかり実証されていないようだ」とかぎつけw、さかんにその部分を煽るようになってしまったのだ。
そしてそしてどうなったか。たしかに、「介護予防事業」を盛り込んだ改正案は参院を通過したが、「パワリハ」は高齢者をトレーニングマシンに乗せて、無理やりトレーニングさせるようなイメージがつき、「介護予防」もなんか効果があるのかわからないどころか、かえって財政的にも、高齢者の健康的にも逆効果じゃないかという、なんともすっきりしない認知のされかたをしてしまったように思える。
だらだらと脈絡のない文章を書いてしまったが、私が一番いいたかったことは、「介護予防にせよ、パワリハにせよ、もっと研究を重ね、満を持して打ち出すべき施策ではなかったのか」ということ。
今回のように、国民のコンセンサスを十分得られぬまま、押し通してしまった結果、高齢者は介護予防への意欲は高まらず、被保険者としても、「まだ無駄なカネが使われる」と猜疑心は高まり、高齢者の家族は「給付が減って勝手にリハビリされては困る」と抵抗心を抱くようになってしまった。
ここで杞憂しても仕方のないことなのだが、せっかくの「介護予防」に傷がついてしまったように思うのだ。みなさんはどう感じただろうか。
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いずれにしても、修正、改正、改良はこれからもずっと継続すべきだと思います。
とにかく、文句はじゃんじゃん言ってw、改良を重ねていってもらいたいものです。
個人的には、
要介護認定は欠陥だから廃止!という論も、
要介護認定は完璧だ!という論も、
いずれも賛成しかねます。
未曾有の超高齢社会を迎えるわけですから、それにあわせて制度も育てなくてはいけません。