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2005年05月21日

なんともばかげた社説

介護保険の仕組みをいまいち理解されていない新聞社があるようです。

介護保険の改正/暮らしの中の筋トレ褒めよ(河北新報社)
例えば(1)の筋トレによる全体の給付費抑制がどうなるかはははっきりしない。厚生労働省のモデル事業では利用者の4割超は要介護度が改善したが1割超は逆に悪化した。その一方で市町村は高額なトレーニングマシンを備えるよう迫られる。
 (2)の自己負担は施設との契約によるが、相部屋利用の場合で食費・居住費合わせて月3万円は超えると試算されている。これは軽い負担ではないから、制度の理想に反してお年寄りを再び家族のもとにもどす動きを生むかも知れない。

この社説を書いた論説委員は、筋トレ=パワリハと考えているようだが、それは違う。
とかくこの手の議論ではマシーントレーニングが槍玉にあげられているが、マシン以外でのトレーニングもあるし、記事にあるように、高額なマシンを備えるよう、「迫って」はいないように思えるのだが。
さらにホテルコストについても、緊迫する財政と表裏一体なわけだから、この論旨では片手落ちだ。もちろん、財政だけ取り上げるのも同様。

極めつけは、文の結び。
筋トレもいいが、暮らしの中で健康を守るこうした人々を褒める仕掛けを設けたら、制度は新たな支柱を得られると思う。

限られた紙面の中で、やっかいな介護保険というテーマを取り上げたのだから、最後はこうした読者に近い事柄で終えるのはごく一般的な手法。しかし、日常生活動作を「制度」で評価するなんてのは、社会保障の意味がわかっていないとしか思えない。失笑ものだ。

むろん、日常の生活動作の量や質は心身の健康に大きく影響する。が、筋トレと並べられるものではない。筋トレは文字通り、トレーニング。特定の筋肉を鍛えるために必要な運動を繰り返す。私は運動の専門家ではないが、トレーニングと、ただの「動作」とが根本的に考え方が違うことぐらいは理解できる。

なんとなく読者を思いやったような社説を書くのは自由だが、こんなのばっかりだと紙面の質が問われますよ。


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おかげさまで、更新が滞っているもののどうにか1位を維持しております。
みなさまのおかげです。ありがとうございます。

編集人 by バジリコ at 15:14 | Comment(3) | TrackBack(0) | 介護保険制度
この記事へのコメント
仙台在住の者です。

地元では圧倒的名シェアを誇るだけに、この新聞社にはほとほと参っています。
記者のレベルが相当低いのか、取材をしないで記事を書くのか・・・
以前医療関係のことでもひどい記事があったので、メールで抗議しましたが懲りていないようですね。
何とかならないものなのでしょうか・・・

Posted by 川田哲夫 at 2005年05月24日 10:03
川田さん
コメントありがとうございます。ご指摘のとおり、地方紙って、そのエリアの世論に多大なる影響を与えてる力があるにもかかわらず、正直記者のレベルを疑いたくなるような記事を平気で配信していたりもします。
記者にもよるし、テーマにもよるのですが、今回の記事に限っていえば、一線から退いた論説委員が、介護保険に関する最近の話題をちょっと勉強して、とりあえず何か物申しておこう、みたいな安易な考えが見え隠れします。
ネットの普及によって、全国紙と地方紙、さらには業界誌の読み比べがただで、しかもすばやくできるようになりました(もちろん、一部の記事ですが)。
ひとつのテーマに絞って、記事を読んでいくと、「新聞社によって記事の質は違うんだなあ」ということを改めて感じますね。

それにしても、川田さんは根性ありますね〜。私もだいぶ前、ある専門誌の出版社に文句のメールを送ったことがありますが、返事ひとつきませんでした。

読者に迎合しろとはいいませんが、読者に近いローカル紙なり専門誌は、読者の意見に真摯になるべきだと思うんですけどね。

Posted by バジリコ at 2005年05月25日 00:55
来年の新予防給付により、口腔ケアも重要であると、ある介護会で聞きました。私も、母が介護認定を受けていますが、ケアマネさんに相談しても今いち納得の答えが返ってきません。訪問歯科を利用しようと思っているのですが、来年の予防給付と関係があるのでしょうか?
Posted by 黒田  at 2005年11月09日 19:25
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