貯金返済訴訟:認知症姉妹の1570万円下ろす 隣の女に全額返済命令 /福岡(毎日新聞)
無断で住宅改築工事500万円、掘りごたつ設置28万円、電化製品購入−−。認知症の87、86歳の姉妹=戸畑区=の通帳と印鑑を預かった隣の女が計約1570万円を勝手に引き下ろしたとして、姉妹の親族が全額返済を求めた訴訟の判決が22日、地裁小倉支部であった。高橋亮介裁判官は全額返済を命じ「権限乱用で、必要ない買い物だった」と断じた。
先日の認知症姉妹への過剰なリフォーム工事問題同様、認知症高齢者の財産を守る「成年後見制度」があまりに活用されていない現状にがっかりさせられる。
今回の事件発覚は、ヘルパーの通報がきっかけだという。おそらく介護サービズ事業者所属のヘルパーだろう。ぶっちゃけ通報の義務があるとはいえ、現実的立場的に行動を起こすのが難しいヘルパーがよく通報してくれたと拍手を送りたい。
こうした善意(といっても差し支えないだろう)の第三者からの通報は、いわば「ボーナス」。あるかどうかわからないボーナスを当てにせず、行政機関やその外郭団体、高齢者のケアなどを謳っているNPOやボランティアは、高齢者の財産などを守る体制を構築して欲しい。
今社会的にも注目を集めている以上、ここで頑張れない団体は叩かれることを覚悟するように。
おもに高齢者の家族による虐待(金銭的な問題も含める)を防ぐため、現在「高齢者虐待防止法」が与党内で研究されており、すでに法案要綱はまとまっている。5月国会に提出される見込みだ。
ぜひとも成立させて欲しいものだ。
だが、成年後見制度にしろ、高齢者虐待防止法にしろ、法律を作ることが目的ではない。
活用しなければ、法律なんて意味がない。
成年後見制度という理念的にも実行力ともに申し分ない法律が、ぜんぜん活用されていない現実を見ると、今度の「高齢者虐待法」の先行きも不安だ。
ともあれ、高齢者の人権や財産などを守る法律や枠組み構築の動きについては、今後も追っていきたいと思う。
