今国会に上程されている介護保険法改正案の最大の柱である「新予防給付」の、2006年度からの全国一斉実施が危うい。厚生労働省が、中核となる地域包括支援センターの体制の整わない市町村について、「2年間の猶予期間を認める」との方針を示したからだ。
日本農業新聞のネタ元は、全国高齢者保健福祉・介護保険関係主管課長会議資料(2月18日)
いやまてまて。
整備率うんぬんの前に、本当に地域包括支援センターって必要なのか?
「介護予防」を除けば、どこかでみたことのあるような役割・・・、そう「在宅介護支援センター」である。この「地域包括支援センター」と「在宅介護支援センター」は位置づけが非常に似ているのである。そのため、「介護予防」をマネジメントする「地域包括支援センター」と紹介するメディアが多くなっている。 What's ノーマリゼーション?
とても的を射たエントリで激しく同意するとともに、茶を吹き出してしまった。
だって在宅介護支援センターって全国に7000箇所ぐらいあるんですよ。
ここで改めて、在宅支援センターの役割を見てみよう。多少長いが引用する。
高齢者や家族の立場に立って相談を受け、必要な保健、福祉サービスが受けられるように、行政機関、サービス提供機関、居宅介護支援事業所等との連絡調整を行います。また、サービスの内容や利用方法などの情報提供や広報・啓発活動、に関する情報の提供または要援護となるおそれのある高齢者やその家族等に対して、社会福祉士や看護師などの専門職員が在宅介護等に関する総合的な相談に応じます。在宅介護支援センターによっては、介護予防プランの作成や転倒予防、介護予防教室の開催など、地域に密着した活動を展開しています。
全国在宅介護支援センター協議会
それでこれが、地域包括支援センターの機能
■必須事業
○高齢者に対する健康教育、健康診査その他の介護予防事業
○介護予防事業のマネジメント
○被保険者の実態把握と総合相談・支援
○多職種協働による包括的・継続的ケアネジメントの支援
■任意事業
○介護給付の適正化事業
○虐待防止を含む権利擁護事業
○介護者の支援事業 全国厚生労働関係部局長会議資料(平成17年1月20日)
そのまんま、地域包括支援センターじゃないか。
それならさ、イチイチ新たに創設するんじゃなしに、在宅介護支援センターの看板を書きかえればいいじゃないか。問題あるの?
利用者・納税者的には一切問題なし。
実際、厚生労働省も、
平成17年度における現行の在宅介護支援センターの運営については、平成18年度からの「地域包括支援センター」の創設及びその運営費に係る介護保険地域支援事業交付金制度の創設を視野に入れながら、昨年10月末に全国在宅介護支援センター協議会が作成した『在宅介護支援センター事業推進マニュアル』を活用し、適正な事業実施が図られるよう御配慮いただきたい。 全国厚生労働関係部局長会議資料(平成17年1月20日)
としている。つまり、在宅介護支援センターは「2005年度は、地域包括支援センターへの補助金がもらえるように基盤整備していてね」ということ。
在宅介護支援センターと一口にいっても、機能や人員は本当にピンきり。
地域包括支援センターに「格上げ」できるのは、いわゆる基幹型(その地域の中心的存在)在宅介護支援センターじゃないのかな。
ついでに役に立たない在宅介護支援センターを統廃合してくれると非常に助かる(利用者・納税者的に)。
ともあれ、「船頭は一人でいい」わけで、やたらめったら船頭がいたら、船は右往左往して沈没してしまう。介護予防事業は、高騰する介護保険財政を救う最後の手段ともいわれているわけだから、船頭が多かったから失敗しました、みたいなことがないよう、地域包括支援センターの行く末をかなり厳しく見ていきたい。
余談1
それにしても、地域包括支援センターができて、大喜びなのが「社会福祉士」。
ここで重要な事は、総合的な相談窓口に誰がつくのか?ということです。この会議で講演を行った老健局計画課中井孝之補佐の話では、この相談窓口業務を行う者は「社会福祉士」でなければならない、との事です。この業務に関しては、業務独占となるのです。群馬県社会福祉士会
在宅介護支援センターに常駐させたっておかしくないぐらい重要な仕事「社会福祉士」なのに、団体に政治力がないのか、「相談業務」という仕事が低く見られているのか、そもそも社会福祉士資格単体の人が少ないのか、これまで介護保険ではあまり陽の目を見ることがなかった。
しかし、この地域包括支援センター創立によって、これまでの「名称独占」だけの社会福祉士から、「業務独占(医者の医療行為のように、決められた職種にしかできない仕事)」できる社会福祉士になるわけだから、ぜひ頑張ってもらいたいものだ。
余談2
いつも思うのだが、役人ってのは毎回毎回「なんとなく意味がわかるようでわからない」機関名を考えるよなぁ。そのあいまいさが狙いだんだろうけどね。
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在宅介護支援センターの看板を「地域包括支援センター」に変えればいい
現在在宅介護支援センターが本来の機能を果たしていないので「地域包括支援センター」構想が出てきました。
機能としては同じセンターであっても、現状の在宅介護支援センターはその機能を果たしていませんので、構造変更が必要です。
是非実態を精査していただきたいと思います。
コメントありがとうございます。
>機能としては同じセンターであっても、現状の在宅介護支援センターはその機能を果たしていませんので、構造変更が必要です。
当然ながら、市民や利用者の頭の中には、このような疑問が浮かびます。
「在宅介護支援センターの機能すら果たせないのに、介護予防事業が加わる地域包括支援センターなんて成り立つのか? ていうか、そもそも『構造』の問題なの?」
そんな憶測をものともせず、ぜひとも、成功させて欲しいものです。
介護予防事業の普及に地域包括支援センターが貢献できなければ、本当に崖っぷちに立ってしまうでしょうから。。。
行政の責任が加味されたと考えます。
在宅介護支援センターは委託事業ですが、地域包括支援センターは行政の責任で作るセンターとされています。
「天下り人事」が形骸化した結果だと思います。
法や制度は出来上がっていると思います。