表に出ない在宅介護の小さな虐待の解決策を考える事例検討会を始めた。見聞きした事例を話し合ううち、家族の介護を担う男性が予想以上に多いこと、かれらが介護への偏見や男としての「プライド」に苦しみ、自分で自分を追いつめている実態が浮かび上がってきた。
介護保険創立のきっかけの一つにもなった「在宅介護者=女性」という偏見。社会(つまり男性)は介護を女性(嫁など)に押し付け、家という密室に閉じ込めることで、世間には要介護者も介護者もいないかのようにされてきた。それは神隠しみたいなものだったんじゃないかな。
しかし、介護保険や女性の社会進出(や人口減少)などにより、こうした「神隠し」は徐々になくなり、リアルで過酷な「介護の実情や問題」が世間一般に知られるようになってきたわけだ。
そこで、驚き慌てたのが男性だろう。
ここ数年、「(家族の中の)女性だけに介護を押し付けない」という意識が高まり、在宅介護者(女性向け)に対して、自治体や企業の介護者支援サービスが増えてきた。心身のメンタルケアや介護者のネットワーク作りのサポート、悩み相談……。まだまだ少ないだろうが、だいぶ介護者を支える環境が整ってきた。
その一方で、対策が遅れているものがある。それは男性介護者のサポートだろう。「女性介護者向け懇談会」みたいに、明らかに性別を限定したサービスは少ない。しかし、セミナーなどイベント系は平日の昼開催されたり、内容も女性を意識したものが多い。
これまで女性に介護を背負わせてたツケといえばそれまでだが、今後は男性をより意識したサービスを公的機関も提供してはいいのではないか。
特に男性は地域にネットワークがない。
定年まで会社員として居住地域とは異なる場所で過ごす。中年・高齢期になり、地域(居住地域)に戻ってみてはじめて、周りに知り合いがいないことに気がつく。
これが非常に大きな問題になっているんじゃないかなあと思う。
上記朝日新聞の記事には、
「男性は不器用で自縛的。その思いや悩みを解きほぐす場が必要だと思いました」
「どの家族にも歴史や葛藤があり、とくに男性の場合、それを吐き出す場と相手、聞き取る私たちの力が大切だと思った。みんなに少しでも楽になってほしい」
とある。
プライドが高く、悩みを打ち明ける場所がないのだから大変なものである。そんな男性介護者がそのまま高齢者虐待に走るとはいわないが、虐待の多くが要介護者の息子だったりする事実からしても、関連性は否めない。
性別をわけることは差別につながる、とかそういうことじゃなくて、性別による社会的背景などに応じたサポートを作り上げることは大事だと思う。
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