日本とフィリピンの経済連携協定(EPA)締結で労働市場の一部開放が決定したのを受け、厚生労働省は11日、当初2年間でフィリピン人の看護師志望者400人、介護福祉士志望者600人の計1000人を上限として受け入れることを明らかにした。国会承認など日比両国の手続きが順調に進めば、07年度初めにも「第1陣」が来日する運びだ。
昨年3月に、このテーマについて当ブログで紹介した。
フィリピン人ヘルパー、本当にくるの?(日本介護新聞)
その際、フィリピン人の労働事情に詳しい方や介護の専門家などからコメントをいただいた。現在の問題点などを紹介してくださっているので、興味のある方はぜひ一読いただきたい。
さてさて、フィリピン人の介護福祉士志望者の「質」である。
入国には、看護師志望者はフィリピンの看護師資格を持ち、3年間の実務経験が必要。介護福祉士も、母国の看護大学卒業か4年制大卒で介護士研修を修了している必要がある。
いやはや、かなりレベルが高いのではないだろうか。
日本側としては、ハードルを高くし、過剰な労働力の流入を防ごうとしたのだろうか。しかし、フィリピンは世界各地へ看護師・介護士を「輸出」している国。やすやすとクリアする人材が来日するのではないか。
今回の受け入れについて、日本側はさまざまな懸念を抱いている。
治安面などを問題視する声もあるが、下記の官僚のコメントからわかるように国内の労働市場の需給バランスが崩れることへの不安感があるようだ。
同日会見した厚労省の辻哲夫事務次官は、受け入れ枠について「日本の労働市場に悪影響を及ぼさない、現実的に可能で適切な数字とした」と話した。
フィリピン人看護師ら受け入れ、2年間で1千人 EPA(朝日新聞)
しかし、日刊スポーツなどの記事にもあるように、看護師不足はまったなしの状態であり、特に地方では顕著だ。
今後だが、フィリピン以外のアジア諸国での人材輸出の気運が高まるのは確実。
インドネシアも日本に看護師などの受け入れを求め、タイは自国の国家資格を持つ調理師が日本で働く条件の緩和について日本と基本合意した。専門性の低い労働力を含め、日本の労働市場開放を求めるASEAN(東南アジア諸国連合)の声が一段と強まりそうだ
日比経済連携協定、看護師受け入れ数示さず(読売新聞)
今回の受け入れの成否が、大げさにいえば日本の高齢社会、いや労働市場全体の行く末を占いといても過言ではないはず。
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