高齢者や障害者を介護するための国家資格「介護福祉士」取得を目指す学生を養成する全国の大学や専修学校などで入学者の定員割れが深刻化し、2008年度の定員全体に占める実際の入学者の割合(充足率)は45・8%と半分を下回ったことが1日、厚生労働省の調査で分かった。
年々、介護福祉士を目指す学生が減少している。
ことし5月に発表された読売新聞の調査結果では、介護福祉士養成校の多くが定員割れしていた。大変憂慮していたのだが、実際定員の5割を満たなかったわけだ。
介護福祉士を養成する大学で定員割れが相次ぐ2008年05月05日
少子化が進む中、国立・私立問わず大学や専門学校では学生獲得に苦心している。学生が興味を持ちそうな学部を創設したり、有名人を講師に据えたりと、さまざまな対策を取る一方で、学生の集まらない学部は閉鎖するところもある。
そうした教育界の中でも特に介護分野の学部・学科が厳しい。
記事にもあるように、学生定員5割を満たない現状では、とても学校経営は成り立たないだろう。このままいけば、来年度にも学生募集を打ち切り、数年後には学部を閉鎖する学校も出てくる。
こうした入学希望者が少ないという現象の裏には、安定して働けない、賃金が安い、社会的地位が低いといった、介護業界が抱えているあらゆる問題が内在している。
その問題とは、まずは過酷な労働に見合わない賃金と待遇。
また、社会的地位が低いことも、仕事へのやる気・使命感を削ぐ原因になっているだろう。
さらに、コムスンが起こした介護報酬の不正受給を機に、ますますネガティブなイメージが蔓延してしまった。
今介護の現場で働いている人が汲々としているのに、どうして学生たちが集まるだろうか。
無論、介護の仕事に対してやりがいや使命感を求める人も少なくないはずだ。だからといって低賃金でいいわけではないし、これまでそうした
労働者の善意に甘えていた部分もある。
日本人ヘルパーが少ないなら、外国人を招聘すればいい、という問題ではない。せっかくきてくれた外国人ヘルパーだって、日本の介護の現場を見ればうんざりしてしまうだろう。それでも働いてくれるとすれば、それは経済格差の結果でしかないし、そうしたものにすがっていては、本当に未来はない。
何より、未来を担う後続の若者が職に就かないという現実は、超高齢社会日本の未来に影を落とす、どころではない。
どんな分野でも、その基幹には教育がなくてはならない。
教育に注力しない国家や団体には未来はないはずだ。



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