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2007年10月31日

デンマークの在宅介護の現状

ブロック紙・西日本新聞が3回シリーズで、デンマークの介護の現状を伝える。
わたしはスウェーデンやデンマークの社会保障制度や環境対策のすばらしい点ばかりを強調した報道は嫌いだ。社会保障制度はその財源をもって成立するものだし、財源とは国民の税金だから。その負担にも言及しない記事が多い。デンマークの税制は、はっきりいって日本人からすれば異常とも取れるものなんだし。
しかしその一方で、デンマークの高齢者介護への施策は間違いなくすばらしいと考えている。
この記事では、用語解説程度ながらもデンマークの税制なども解説。介護サービス自体には目新しい情報はないが、デンマークの高齢者介護の現状をつかんでいる。
迷走し続ける日本の介護を考える、いいきっかけになるのでは。

【連載】在宅介護の国から デンマーク視察報告<上>尊厳 最期まで自宅で過ごす(西日本新聞)
88年から特別養護老人ホームの新設を禁止、毎年3000戸ペースで高齢者住宅(介護住宅も含む)を整備している。介護費用を含め入居者の負担は17万‐18万円で、平均月額約20万円の年金で十分賄えるという。
 「施設介護をやめ、在宅に一元化したことで、むしろ総コストは下がった」。(中略)手厚い高齢者介護を可能にしているのは高い税率。消費税は25%、所得税と市民税の負担率は40‐60%に達する。(中略)老後に不安がないため、家計に占める貯蓄率は約3%しかない。

今後、民主党が政権を取ろうがどうしようが、デンマークのような税制には絶対ならない。そのため、デンマークのような高齢者福祉にならないかというとそうは断言できないだろう。
そもそも日本とデンマークの税制を比べる以上に大事なのは、両国で高齢者福祉に費やされている税金の額だろう。
使い古された言葉だが、デンマークをものさしに日本の高齢者福祉における費用対効果を考えてみてもいいのではないだろうか。

編集人 by バジリコ at 19:12 | Comment(0) | TrackBack(0) | 介護保険制度

2007年10月28日

書籍『サラダボウル化した日本』

サラダボウル化した日本   Welcome or Reject (光文社ペーパーバックス)サラダボウル化した日本 Welcome or Reject (光文社ペーパーバックス)
若林 亜紀


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本書は、日本の様々な場所・業種で働く外国人労働者を取材したルポルタージュだ。
「ニッポンITを担うインド人技術者」
「夜の東京/外国人風俗地区」など全11章で構成されている。

当ブログで取り上げたのは、「介護してくれるのはフィリピン人ヘルパー」という章の中で、日本で働くフィリピン人ヘルパーを取材しているからだ。

フィリピン人介護士の受け入れで今、国内の介護業界が浮き足立っている。日本看護師協会は早々に声明を出すし、新聞報道を受けてWeb上でも賛否両論噴出している。

しかし、すでに国内では一部施設でフィリピン人ヘルパーによる介護サービスが提供されているのをご存知だろうか。

本書では、著者であるジャーナリスト若林亜紀氏がフィリピン人ヘルパーが働く都内・某老人介護福祉施設を取材している。

詳細は是非、本書を読んでもらいたいのだが、わたしが読んで気になったことが2点ある。
1点目は、これは各所で指摘されていることだが、介護保険には欠かせない書類作成の問題。取材対象である、フィリピン人ヘルパーは来日10年、20年のベテランで話す分には日本語には不自由していない。
しかし、「ケアプランや栄養管理、リハビリの状況などやるべきこと、やったことを日報に記録しなければなりません」と書かれているように、専門用語を交えながら、仕事内容を文章で報告するのは難しいのが現状だ。

そして2点目は利用者の意向。本書を一部引用する。
フィリピン人のヘルパーを拒否する施設のほうが多いのです。利用者であるお年寄りが違和感を感じるので、施設側もそれを尊重せざるを得ないそうです。(中略)フィリピン人といえば夜の商売であるといった思い込みや、フィリピン人そのものに偏見を持っている場合もあります

結局のところ、高齢者(痴呆症患者)がフィリピン人ヘルパーに介護されることを受け入れることができるのか。そこが肝心なのである。
現在のところ、フィリピン人介護士受け入れにおいて、こうした利用者の視点が欠如しているように感じる。

本書はそうしたリアルな現場を感じることができるのでおすすめしたい。
わたしたちの日常生活にいかに外国人労働者が多いかということは、みなさんも感じていることだろう。
しかし、本書を読んでみると、「ええっ、そんな仕事までしているの!?」と驚くこともあるはず。
前述したが11章のうち1章分がフィリピン人ヘルパーに関する記事で、それ以外は別の業種でのお話だが、仕事の息抜きにでも読んでみてはいかがだろう。

2007年10月24日

介護関連事業の企業の倒産件数、昨年を上回る

福祉・介護事業の倒産、上半期29件(キャリアブレイン)

今年1月〜9月までの老人福祉・介護事業の倒産件数が、昨年の同じ期間より6件増えて29件になったことが、東京商工リサーチの調べで10月24日、分かった。介護保険制度がスタートした2000年以降ではこれまで最悪だった昨年1年間の倒産件数(23件)を上半期だけで既に6件上回ったことになる。

介護事業の関連企業の倒産件数が増加しているが、これは制度改正の影響によるものが多いのだろうか。
倒産は、その社員や取引先はもちろん、サービス利用者にも影響を与える。今回のコムスンのように、スムーズに事業譲渡が進めばよいが、必ずしもそうはいかないだろう。


わたしが隅っこの隅っこに所属?する出版業界も倒産が相次いでいるので、ある意味他人事ではない・・・・・・。

編集人 by バジリコ at 19:35 | Comment(0) | TrackBack(0) | 介護保険制度

大規模介護事業者への規制・監視強化へ

介護事業、法人規制を導入へ=国に指導権限、不正防止で−厚労省(時事通信)
訪問介護最大手コムスンによる不正問題の再発防止策として、厚生労働省は24日、現在の事業所単位の規制に加え、経営母体である法人への規制を新たに導入する方針を固めた。

具体的にどのような規制が加わるのか。
国による規制は諸刃の剣だ。
続報を待ちたい。

編集人 by バジリコ at 18:37 | Comment(0) | TrackBack(0) | 【特集】コムスン問題

2007年10月23日

アメリカと日本の介護、何が違う?

世界の街角から:(28) アメリカ的老い方(3) アメリカの福祉・日本の福祉(マイコミジャーナル)

総じてアメリカでの印象は、「スペースの広さ、労働力の豊かさ、選択の多さ(自由度の高さ)、(施設間の)競争原理の激しさ」だった。
(中略)
一方、昨年から務める全国老人福祉施設協議会理事として見て回った日本の施設の印象は「狭さ、規律正しさ、清潔、画一的、人手不足、コストの安さ」だ。果たして日本とアメリカ、どちらでの老後生活が幸せなのかは一概に決めつけられない。確かに入居待ちは多いものの、費用の80%以上を介護保険が見てくれる日本の特別養護老人ホームは、無保険者4000万人以上というアメリカの低所得層からは天国のように思えるだろう。

記事にもあるが、日本とアメリカとで介護サービスを比較する場合、その背景にある政治や資産などに対する両国民の考え方などを学ばなくてはいけない。いうまでもなく、社会保障は国の超重要な政策の柱だからだ。
わたしは特にアメリカについて詳しくないので下手に論ずることができないのだが、日米の介護サービスの現状に対する決定的な違いというのは、「選択肢の幅の広さ」なのだろう。

先ほどエントリしたものといい、ちょっと海外ネタが続いている。
余談だが、当ブログにお越しいただく方の8割近くはサーチエンジン経由だ。そのキーワード(キーフレーズ)で高ヒットなのは「フィリピン 介護」というもの。関心の高さがうかがえる。
さらに余談だが、日本でのフィリピン人による介護の現場をルポした書籍を最近購入。この感想を近々アップしよう。

編集人 by バジリコ at 21:45 | Comment(0) | TrackBack(0) | 介護保険制度

マレーシアに日本人専用の老人ホームがオープン

マレーシア 日本人専用手作りホーム(読売新聞)

クアラルンプール郊外に今年5月、日本人専用の老人ホーム「ナースロッジ日本」がオープンした。「日本にいるような雰囲気で介護を受けられる施設を作りたい」と考えた恭彦さんらが、地元で3軒の介護施設を運営する内科医師を説得し、実現にこぎ着けた。

このような日本人による日本人専用の老人ホームは、現地に住む高齢者には心強いはずだ。しかも、賃料というか費用は「毎月の費用も、介護、家事、訪問診療、食費(3食)などすべて込みで1人2750リンギット(約9万3500円)」という。安い!

ひと昔は、金持ち高齢者が物価の安いアジア諸国に永住する(ことを想像)するのがはやっていたが、実際はどうなのだろう。

編集人 by バジリコ at 21:14 | Comment(0) | TrackBack(0) | 介護ビジネスの動向

2007年10月22日

長崎県内の介護施設での身体拘束・5年前の5分の1に

5年前の5分の1 介護保険施設の身体拘束者数(長崎新聞)

介護保険施設での入所者に対する身体拘束者数が、昨年は五年前に比べて五分の一に減少したことが県の調査で分かった。県は「身体拘束に対する施設側の意識が高まっている」と評価。その一方、グループホームでの拘束者数は増加しており、施設管理者ら向けの研修を強化する方針。

できることなら、施設の職員数が5年前に比べて増えたのか減ったのかも公表してほしかった。
身体拘束してしまうケースでの理由として、人手が足りない、というものが圧倒的に多い。
昨今の介護業界を見てみると、5年前に比べて格段に人手が増えたわけではないから、やはりスタッフの意識が高まったのだろう。

久しぶりにちょっと明るいニュースだ。

編集人 by バジリコ at 20:52 | Comment(0) | TrackBack(0) | 高齢者虐待

グッドウィル、介護事業の売却総額630億円

グッドウィル、介護事業の売却完了・総額630億円に(日本経済新聞)

グッドウィル・グループは19日、介護関連子会社2社を売却したと発表した。これにより介護関連6子会社の全事業の売却先が決まり、売却総額は約630億円に達した。

追徴分を含めた不正受給分の総額はいくらだろう。
そっちのほうが気になる。

編集人 by バジリコ at 20:47 | Comment(0) | TrackBack(0) | 【特集】コムスン問題

2007年10月10日

介護報酬不正受給などへの監視を強化

介護給付、監視を強化・厚労省(日経新聞)
厚生労働省は、介護保険の給付費用の抑制や不正請求を防止するために、保険を運営する自治体の監視を強化する。介護の必要度を決める要介護認定が適切かどうかの事後点検や利用者に介護の利用明細を通知する措置など8項目の実施を新たに自治体に求める。

コムスン事件を引き出すまでもなく、介護サービス提供事業者による介護報酬不正受給は後を絶たない。
手口は、比較的単純。不正受給自体もちろん悪いが、これがまかり通ってしまう監査体制にも問題はある。

そこで今回、厚生労働省は自治体の監視体制の強化を打ち出した。
記事ではその一例として、利用明細を利用者に通知することを求めるそうだが、そんな書類をでっちあげることなんて簡単なのではないかと思ってしまうが……。

しかし、こうした監視業務を任されたりと、ますます市町村の介護保険担当は仕事が増えるな。まあこれまで多かったのかというと疑問な部分もあるが、とにかく「人手が足りないのでできませんでした」みたいな言い訳だけはしないでもらいたいものだ。それとも、広域連合化が加速するのだろうか。

編集人 by バジリコ at 15:34 | Comment(0) | TrackBack(0) | 地方自治体の取り組み

2007年10月09日

介護事業所のHP掲載料、6万円!?

介護事業所のHP掲載料 大阪は高すぎる! 苦情相次ぎ来年度減額(産経新聞)

大阪府は5日、ホームページ(HP)での紹介が義務づけられている介護サービス事業所の掲載手数料について、来年度から減額する方針を決めた。手数料が近畿2府4県で格段に高いことが原因で、事業所からの苦情が1年間で300件を超えていた。
(中略)大阪府の場合、1サービスの紹介で6万1600円。サービスを増やせば高くなり、10種類では60万円を超える。一方、近畿の他府県の1サービスあたりの手数料は、京都府4万7000円、兵庫県4万9000円、和歌山県と奈良県が5万2000円で、大阪府が突出している。

先週の記事になるが、あまりにひどい話だったので紹介する。
これは高すぎるだろう。常識的に考えて。問題となっているのは、「大阪府介護情報公表センター」だ。

しかし、大阪府ももちろん高いが、近県も十分に高い。
これは関西方面だけの話なのだろうかと思い、東京都を調べたところ、同じような金額だった。
どうしてこんなに費用がかかるのか。東京都のHPを見ると、公表手数料よりも調査費にその費用は割かれている。つまり、事業者からの申請書なりを調べるためのコストがかかっているようだ。

そんなこと言っても探偵を雇うわけでもないのだから、数万円もかかるとは思えないのだが……。こうしたHPを作っているのは当然ながら都道府県の外郭団体。

どうでもいいけど、大阪府介護情報公表センターのタイトル文字はあまりに見づらい。立体文字を使って、ヘッダーはグラデーションかけるなんて。なんともまあ。

編集人 by バジリコ at 22:04 | Comment(0) | TrackBack(0) | 地方自治体の取り組み

高齢者専用マンションが売れている!?

県内で建設ラッシュ 高齢者マンション好調 一時金ゼロ“地方型低価格”(西日本新聞)

入居一時金不要で、自立・要介護を問わず65歳以上を幅広く受け入れる高齢者専用賃貸マンションが、建設ラッシュを迎えている。
(中略)これまでの介護施設の主流は、都市部など立地条件が良い代わりに高額な一時金を必要としたが、同社は“地方型低価格”をキーワードに郊外に着目。

気になるお値段は、食費・管理費を含め月約10万円!安い!
いったい何をもって高齢者マンションなのかというと、(1)バリアフリー(2)介護職が常駐 なのだとか。
そのマンションは「ぽっかぽか・ハートケア伊万里」。
食事は食堂でみんなと一緒に食べる。栄養士ではなく調理師というところはまあご愛嬌というところか。

ちなみに温泉王国・九州らしく、温泉施設と提携していて無料で入浴できるという。

わたしはこうした介護関連施設は、ものすごい山奥に引きこもるよりはにぎやかな繁華街のほうがいいと思っていた。
実際、同じ九州福岡ではこんな事例もあった。
福岡の歓楽街に介護施設?(日本介護新聞)
しかし家賃やのんびりとした田舎で過ごすことのメリットというのも大変捨てがたい。


今回のような事例が今後も増えることで、利用者が料金だったり、立地だったり、サービスだったりと選択の幅が広がっていくことを期待したい。
わたしはやっぱり繁華街がいいな。夜中抜け出してクイっ一杯!?

編集人 by バジリコ at 21:41 | Comment(0) | TrackBack(0) | 介護ビジネスの動向

2007年10月08日

家庭介護を支えるのは孫!?

介護を変える“孫力”…「しがらみ少なく冷静になれる」(産経新聞)

社会の高齢化が進むなか、親に代わって、祖父母の介護に関心を持つ孫世代がいる。「嫁しゅうとめのような感情的なしこりがない」「親よりも祖父母の“老い”を冷静に受け止められる」と彼らはいう。

実際に孫と同居している高齢者がどのぐらいいるのかといったことはともかく、家庭介護において第三者視点というのは大事なのだろう。
介護保険は第三者による介護を提供するための制度。しかし当然ながら、家庭介護すべてを代替するものではなく、あくまで家庭介護をサポートするものだ。

記事には感情的なしこり云々というものが書かれていたが、それと同じく変に金銭的なものが絡まないだけ、お互い気が楽という部分もあるかもしれない。

編集人 by バジリコ at 19:24 | Comment(0) | TrackBack(0) | 介護保険制度

フィリピン人の介護・看護師就労問題

日比EPAに否定意見相次ぐ・フィリピン上院(日経新聞)

協定の目玉である看護師・介護士の日本での就労について看護協会の理事長は「フィリピンで看護師を育成する日本政府の支援が盛り込まれていない」と批判。日本での研修期間中の待遇の見直しも求めた。

フィリピインの看護協会理事長の意見はごもっとも。
日本への人材交流(人材不足解消が目的ではないらしい)のため、日本のルールに則って看護師を育成するのだから日本の支援があってしかるべきだ、という主張。
このフィリピン人介護・看護職の受け入れについては、オールアバウトの【介護・福祉】チャネルの記事がかなり詳しいので、関心のある方はぜひご一読を。

日本介護新聞では一昨年からこの件を取り上げてきたが、いまだに色々な角度での意識のズレを感じるし、それが刷りあわされていない。
日本国内においては、(1)政府側の「将来の人材難解消として、とにかく外国人労働者の受け入れ実績を作りたい」という思惑(2)介護・看護労働側の「安易な受け入れは日本人労働者の労働待遇をさらに悪化する」という危惧が平行線のまま。

また、日本とフィリピンとの意識のズレもある。
(1)日本側はまだまだ「発展途上国から労働者を受け入れてやる」という上から目線だし、招き入れるための条件も厳しい。(2)それに対してフィリピン政府はどうにかして労働者を輩出したいものの、フィリピン人労働者には、日本での待遇や労働環境の悪さを危惧する意見も少なくない。
なんか政府間でどうにかやりくりしたものの、両国の介護・看護の現場では相当不満があるようだ。

どちらの考えにも同意できる部分はあるのだが、この議論の最大の欠点は、利用者不在だということ。
介護サービスを利用する人たちはいったいどのように考えているのだろうか。
そこが肝であるはずなのに、報道や関係者のコメントをみても、そうした部分に触れているものはあまりに少ない。


それに、これは以前も書いたが、世界各地に看護職を送り出しているフィリピンに「とてもじゃないが日本なんかには人材は送り出せない」とそっぽを向かれた場合、その他の国からも敬遠される可能性はある。
日本語の読み書きをマスターしながら、3,4年以内に日本の国家資格取得という高いハードルを設けた時点で、それがいいか悪いかは置いといて、現実的に意識の高いプロフェッショナルは日本に来ない気もするがいかがだろう。


とにかくこの件については、もっと議論を深めなくてはいけないと思う。それも専門職や関係者だけではなく、現在・将来の介護サービス利用者たちの意見も聞き入れるべきだと思う。




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過去にエントリした、当ブログでの記事
各紙はどう見る?フィリピン人受け入れ(2006年09月14日)

日本看護協会、さっそくフィリピン人受け入れに物申す(2006年09月13日)
フィリピンから介護福祉士ら1000人来日(2006年09月12日)

フィリピン人ヘルパー、本当にくるの?(2005年03月10日)

2007年10月04日

特別養護老人ホーム、大都市ほど経営難に。

あんぐるTokyo:特別養護老人ホームの「逆格差」 大都市ほど経営難 /東京(毎日新聞)
ところが都内に目を転じると、黒字幅は5・7%と全国平均を大きく下回る。都独自の運営費補助金を除くと、3・1%まで下がる。
 最初の改定があった03年度決算で既に、全237施設の32%に当たる76施設は、補助金がなければ赤字転落という状態で、34施設は補助金を加味しても赤字だった。全国平均並みの10%超黒字を達成した施設は、「補助金あり」で2割、「なし」では1割を切った。
 「逆格差」を生む主な要因が、高い物価とそれに伴う高い給与だ。(中略)介護分野は「重労働で夜勤もあり、肉体的にきつい」「他の職種に比べて給料が低い」と離職者も多い。同情論の背景には、介護報酬の減額が施設の経営難に拍車をかけ、職員の待遇改善が進まない現状への不満がある。

つい昨日、10月12日(金)、「東京の介護が危ない」都民フォーラム開催という記事をエントリしたが、偶然?にもこの記事では、大都市における介護事業の厳しさが紹介されている。
大都市は地方に比べて賃金や物価が高いにも関わらず、それをカバーできるだけの介護報酬の地域加算分がないため、結果として補助金なしには成り立たない(どころか、補助金があっても赤字)なのが現状だという。
しかも比較的賃金が高いといっても、それは地方の介護職の給与と比べての話であって、同じ都内でほかの職種と比べると決して高いとはいえない。まして仕事のハードさからいうと割に合わないのだ。

そんなわけで、儲からないし、優秀な人材は集まらないわと、個別の努力云々のレベルを超えて制度構造的な欠陥が露わになっているのが介護保険の現状だ。

編集人 by バジリコ at 20:54 | Comment(0) | TrackBack(0) | 介護保険制度

10月12日(金)、「東京の介護が危ない」都民フォーラム開催

10月12日(金)の14時〜16時半、東京都社会福祉協議会主催で都民フォーラム「東京の介護が危ない 深刻化する人材不足・どうなる老人ホーム」がなかのZERO大ホール(東京都中野区中野二丁目9番7号)で開催される。
参加費は無料。事前予約も不要とのこと。

介護保険を支える介護職員は、その仕事のハードさに対して待遇はよくない。要介護者が増加していくのに対し、介護労働人口は減少していくことが予想され、その現状と未来はかなり危機的だ。
特に、物価の高い東京都ではそのギャップは激しく、現場では危機感を募らせているという。

そこで、このイベントでは介護保険の土台であり、骨格である介護労働の現状と今後を語り合うという。

詳細はこちらを参照して欲しい。

2007年10月03日

認知症の母を介護する詩人・藤川幸之助氏

【連載】支える側が支えられるとき<上>認知症の母を介護する詩人・藤川幸之助さん
退院することなく父は逝きました。でも母は父の遺体に対面してもきょとんとして、夫が亡くなったことさえも分からなくなっていたのです。
 熊本の特別養護老人ホームに入所した母の元へ毎週末、車で通う私の介護生活が始まりました。下の世話、はいかい、妄言…。食事に2時間もかかり、私は「俺の母さんだろ。しっかりしてくれよ」と怒鳴ってしまいました。
 そのとき初めて、自宅で介護をしていた父のすごさを知ったのです。

藤川氏自身の介護体験がつづられた連載記事。
新聞記事読んで涙浮かべたのはいつぶりだろう。
記事を読んで、久しぶりに両親に電話したくなった。

藤川氏は全国各地で、痴呆症の母の介護体験を講演している。
そのスケジュールなどは公式サイトに掲載されている。

また、読売新聞でも同様の介護体験などを6回シリーズで連載していた。家庭介護者、介護職のみなさんに読んでいただきたい。
読売新聞 ケアノート(ページ真ん中ぐらいに掲載)





「マザー」「マザー」
藤川 幸之助

ライスカレーと母と海 大好きだよ キヨちゃん。 君を失って、言葉が生まれた 母の詩集 「私、バリバリの認知症です」

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編集人 by バジリコ at 19:33 | Comment(0) | TrackBack(0) | ちょっといい話

東京都社会福祉協議会が介護賃金アップ求め署名活動

介護職賃金アップの署名呼びかけ(キャリアブレイン)

東社協はこれらを受けて、「介護職員が『やりがいはあるが仕事を続けられない』として職場を離れていく」と説明。都民が安心して老いることができるよう、福祉現場を守ることを目指して今回の請願署名の呼びかけに至った。

こうした、介護職の労働待遇改善に対して、社会福祉協議会が動くというのは異例ではないだろうか。翻せば、それだけ事態は切迫しているといえよう。

同じキャリアブレインで次のような記事を見つけた。
兵庫県の介護会社、職員らが破産申し立て(キャリアブレイン)

東京商工リサーチによれば、兵庫県内で有料老人ホームなどを運営していた株式会社ウェルケア(同県姫路市、橋本宰蔵社長)は9月25日、職員らから神戸地裁姫路支部に破産手続きの開始を申し立てられた。

何事かと思ったら、このウェルケアという会社の実質的な運営者が相当悪質な経営をしていたようだ。単なる不払いではなく、その裏には不明瞭な資金流出もあったようだ。
職員への給与不払いが起きており、それについて裁判所から同社への支払い命令が下ったにも関わらず、無視されていたようだ。

介護が儲かるとかどうとかいうレベルではなく、経営者のモラルハザードがひどすぎる。介護保険によって介護はビジネスとして“生まれ変わった”わけだが、
実際のところ、ビジネス感覚を強要されているのは現場だけで、実際のところ経営者の中にはそうした感覚を持ち合わせていない人がいるようで残念でならない。

編集人 by バジリコ at 01:48 | Comment(2) | TrackBack(0) | 介護ビジネスの動向

2007年10月02日

多発する介護疲れによる事件

介護保険以前から起きていたことだが、最近、介護疲れによる殺人・傷害事件がマスコミを賑わせている。

介護に疲れた家族介護者が、同じ家族である高齢者を殺めてしまう事件はあまりに悲しくて、やるせない。
本来、介護保険は家庭介護者を救うために設立されたもののはず。
しかしながら現実として、こうした事件はなくならない。
もちろん、家庭介護者人口からすれば、こうした事件は少ないとは思う。また、介護保険によって家庭介護者の負担がすべて解消されるわけでもない。
しかし、期待していた以上に介護者の精神的な負担をサポートできていないのが現実だ(そういうサービス?は正確には介護保険外だと思うし)。

経済的理由やその家庭状況などから、上手に介護保険を使えなかったり、第三者に相談できず、介護の苦労を一人で背負ってしまうケースは多いと思う。認知症高齢者を抱える家族はなおさらだ。
実際に殺人事件の場合、被害者である高齢者は認知症を患っていたケースもある。

ビジネスライクな介護保険を否定するつもりはないが、なんらの理由で介護保険が使えない、もしくはサービスが不十分だという家族をサポートするにはやはり介護保険以外の自治体による高齢者保健福祉サービスが大事ではないだろうか。
介護保険をよりよいものにするためにも介護の両輪として、高齢者保健福祉サービスに期待したい…のだが実際は予算面、人員面ともに厳しいのが現実か。

そう考えると、広い意味での介護予防事業は介護保険に吸収されるのではなく、むしろ高齢者保健福祉サービスとして成り立たせたほうがよかったのではないか。そんな風にも思ってしまう。

すべてを介護保険で賄ってほしいとは思わないが、たとえば認知症高齢者を抱える家族が出会う場を設けられるのは公的機関だと思う(介護保険のグループホームを通じで知り合うこともできるだろうが、かなり間接的)。

介護給付を抑制する意味でも、介護者のサポートが本格されることを切に願う。悲しい事件は決して他人事ではないからだ。

編集人 by バジリコ at 00:48 | Comment(0) | TrackBack(0) | 編集人の言い訳/つぶやき