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2007年09月24日

コムスン、介護事業の譲渡先がすべて決定

コムスン、介護事業の譲渡先すべて決定 高級老人ホームをゼクスに(中日新聞)

グッドウィル・グループは二十一日、子会社の訪問介護最大手コムスンが高級有料老人ホーム「バーリントンハウス」などを不動産業のゼクスに売却すると発表した。譲渡額は最低三百六十億円で今後一カ月以内に正式決定する。
 これによりコムスンの全介護事業の譲渡先が決まり、総額は約六百二十七億円超となる。コムスンは当面、不正請求のあった介護報酬の返還などを行うが、事務手続き終了後は清算する見通し。

有料老人ホームなどは居酒屋のワタミフーズなども名乗りを挙げていたと思うが最終的に高級有料老人ホーム「バーリントンハウス」(吉祥寺と世田谷)はゼクスが譲り受けた。

コムスンの巨額の介護報酬不正受給は、全事業を他社に譲渡するという形で幕引きされた。不正受給した介護報酬はその制裁金を上乗せして自治体に返還される。

コムスンの従業員や顧客(利用者)は譲渡先企業に基本的にそのまま譲渡されるわけだが、利用者はもちろんのこと従業員の待遇などが悪化されることなく、引き継がれることを願いたい。

編集人 by バジリコ at 23:19 | Comment(0) | TrackBack(0) | 【特集】コムスン問題

2007年09月23日

高齢者虐待、06年度で1万件を突破

高齢者虐待 地域の態勢づくりを急げ(信濃毎日新聞)
家庭内での高齢者に対する虐待が、2006年度に1万2000件を超えたことが厚生労働省の調査で明らかになった。
 水面下にはもっと多くの虐待が隠れているとの指摘もある。さらに詳しく調査を進める一方、市町村を中心に早期発見や予防に向け、態勢を強めていかなければならない。

こうした高齢者虐待に関する調査結果が発表されるたびに、新聞など報道機関は(1)関係機関の連携を図れ(2)窓口に駆け込め といった対策を提唱する。

しかし関係機関が連携を図るためには司令塔というかリーダー的存在が必要なのだが、その役割はどこが担うのかついての言及がない。これも何度も書いてきたが、高齢者虐待防止法で言えばその役割は市町村(の介護保険担当課など)にある。実際は医療・福祉分野の専門家のいる保健所や地域包括支援センターが適切なのだろうが、活躍しているケースをあまり見聞きしたことはない。

また、記事にもあるが市町村の窓口を利用しよといっても、介護施設、家庭内問わず、虐待は密室で起きるわけだ。それを「窓口があるのだから、そこに通報しなさい」なんてお役所仕事してたんじゃいつまで経っても虐待はなくならないだろう。どうして「待ち」の仕事しかできないのだろう。また報道機関も提灯記事や、毒にも薬にもならないような記事ばかり書いてないで、ちゃんと原因などを追究してほしい。

愛媛新聞も、この調査結果を社説で扱っている。
こちらは結構詳しく、そして対応策などへの言及も。
では、どうして虐待が起きるのか。さまざまの要因が複雑に絡み合ってはいるが、介護負担の問題や、高齢者と虐待する側との人間関係の問題が大きなポイントだろう。
 なかでも、虐待の背景にある介護の厳しい現実を見過ごせない。虐待を受けた高齢者の四割は介護を必要とする認知症であったし、別の調査では虐待した側の六割までが介護の主たる担い手だった。そこからは負担の重い介護に悩む家族の「介護疲れ」も浮かび上がる。
(中略)虐待防止法では、とりわけ市町村に対して重要な役割が求められている。虐待やその危険が大きい場合、家庭や施設への立ち入り調査、一時保護、介護施設への入所など迅速で効果的な対応が肝要だ。

一応、高齢者虐待防止法では、虐待のケースによっては、市町村職員などが立ち入り調査できると明記されている。また地元警察署に警察官の立会いなどの援助も求めることができるという。
しかし、児童虐待防止法でも同じようなケースがあるが、仮に虐待が疑われている家庭を訪問しても、明確な証拠がない限り、なかなか高齢者を救出するのは難しいし、そうした仕事に従事する役人なども法的リスクを背負ってしまうわけだ。だから及び腰になっているのだろう。

在宅介護での虐待の兆候を見抜けるのは、おそらくヘルパーさんだろう。しかし、ヘルパーにも通報義務があるとはいっても、現実的に「お客様を売る」行為は難しいだろうし、企業の営利活動なのだからそんなことまで求められてはかなわないだろう。


虐待は「早期発見・対策」以上に、「早期予防」が大事だと思う。金銭が絡むような虐待(詐欺など)もあるが、それ以上に介護者のストレス発散のために虐待してしまうケースが多いと思う。記事にもあるように、高齢者虐待の多くの場合、その被害者は認知症だ。認知症高齢者を在宅介護するのは心身・金銭ともに大変な負担になる。

負担増から虐待へと悪化させないために、専門家による介護者へのサポートがこれまで以上に重要になるのではないだろうか。


余談だが全国紙では見出しの書き方が分かれていておもしろい。
朝日は、見出しでも虐待事例は在宅者が大半としていながら、コメントしているのは特養ホームを良くする市民の会の本間さんで、その内容も当然施設に対するものだった。今回の調査結果では異常に施設での虐待件数が少なかっただけに、その部分を突っ込みたかったのだろう。
わからなくもないが、明らかに在宅での虐待が多いのだから、まずは逸れに対するコメントをしてくれる識者や専門家を登場させるべきだったと思う。
こうしたチグハグさがなんとも気持ち悪いんだよなあ。
高齢者虐待1万2600件 在宅者が大半(朝日新聞)
高齢者虐待1万2500件 家庭内、女性が4分の3(東京新聞)
高齢者虐待 息子が37%…06年度厚労省調査(読売新聞)

編集人 by バジリコ at 20:48 | Comment(0) | TrackBack(0) | 高齢者虐待

2007年09月21日

コムスン在宅介護事業、売却総額は52億円

コムスン在宅介護事業、全移行契約が完了・売却総額52億6900万円(日経新聞)

介護大手コムスン(東京・港)の在宅介護事業売却を巡り、親会社のグッドウィル・グループは20日、47都道府県すべてで事業移行の契約が完了したと発表した。売却総額は52億6900万円。厚生労働省の処分を受けてグッドウィルが介護事業撤退を決めて3カ月あまり。拠点数が最大だったコムスンの解体で、業界の勢力図も塗り替わりそうだ。

熊本と三重の譲渡先が土壇場でキャンセルするなど、少し混乱したものの、無事に全都道府県で譲渡が完了した。
売却総額は52億円ということだが、都道府県などに返却する不正受給額+追徴分は総額でいくらぐらいになるのだろう。
そうした足し算引き算よりも、グッドウィルグループへの社会的信用はかなり落ち込んだのは事実だ。

譲渡先には絶対に不正受給などしてもらいたくないものだ。

編集人 by バジリコ at 02:05 | Comment(0) | TrackBack(0) | 【特集】コムスン問題

2007年09月20日

渋谷区が介護保険外サービスで老老介護を支援

介護保険外 『老老』を独自支援へ 渋谷区23区初(東京新聞)

渋谷区は、現行の介護保険では対象外となる高齢者へのサービスを、区独自で提供する制度を来年一月から新設する。このうち、高齢者が要介護認定者を介護する「老老世帯」を対象に、炊事や掃除、洗濯といった生活援助型ホームヘルプサービスなどを提供するのは二十三区で初めてという。ホームヘルプサービスは同居家族がいる場合、原則として対象外となるが、同区は「老老世帯」ではサービスが必要なケースも多いと判断した。


独居老人対策も重要だが、家族がいるとはいえ高齢者夫婦の場合はお互いに生活面での負担が大きい。かえってリハビリになるというケースもあるが、心身状態が悪くなることも考えられる。

23区も相当財政は厳しいはずだか、こうした老老介護という、制度のはざまで苦しむ人に光を当てた高齢者福祉制度を提供するのは評価できると思う。こうした制度は23区では初ということだが全国的にこうした制度は一般的なのだろうか。

編集人 by バジリコ at 02:25 | Comment(0) | TrackBack(1) | 介護予防と介護の工夫

2007年09月19日

麻生と福田、介護に熱心なのはどちら?

連日報道されている自民党総裁選挙。もちろん、わたしも関心を持ってニュースを見ている。さてここは日本介護新聞らしく?、「介護」「高齢者」などをキーワードに、麻生氏と福田氏とを見比べてみよう。

自民総裁選 政権公約 福田氏・社会的弱者に配慮 麻生氏・活力引き出す政策(産経新聞)

福田氏の公約
▽年金・医療・介護(1)与野党の壁を越え、国民が納得できる年金制度を構築(2)高齢者医療費負担増の凍結を検討(3)医師不足解消(4)障害者自立支援法の抜本的見直し
麻生氏の公約
▽安定的な年金財源確保のため国民的議論促進▽安心できる介護保険制度構築

(どちらも必要部分のみ抽出)
見比べるもなにも、両者ともたいしたことは言っていない……。
どちらも一応、「介護」というキーワードは使っているものの、とにもかくにも年金問題に対して発言しなくてはならないのだろう。

福田、麻生両氏が高齢化事情など視察(産経新聞)

自民党総裁選に立候補している福田康夫元官房長官は19日、高齢化が進む東京都の多摩ニュータウン地区などを訪れ、約300人の聴衆を前に「高齢化という日本の現実を見据え、しっかりと政策を考えていかなければならない」と語った。
一方、麻生太郎幹事長は(中略)農業経営者との意見交換では、高齢化に伴う後継者不足や小規模経営の窮状を聞き、「農業は治山治水など国土保全に果たす役割という観点からも考えなければならない」と述べた。

やはりこの記事でも、突っ込んだ政策などには触れられていない。
総裁・首相になって組閣した時点で各分野について、省庁と連携しながら政策を進めていくのは理解できる。
また、限られた期間での発言(しかもその中でもマスコミが興味を抱いた部分のみ報道される)を見る限り、どっちもどっちといったところか。
しかし、介護保険も今後のウルトラ高齢社会を支える柱なのだから、小さな論点に加えてもらいたいものだ。

内憂外患でそれどころではない、というのが正直なところなのだろうけど……。

編集人 by バジリコ at 21:27 | Comment(0) | TrackBack(0) | 編集人の言い訳/つぶやき

コムスンの事情譲渡、熊本・三重はセントケアへ

コムスン在宅介護引受先、熊本・三重はセントケアに変更へ(日経新聞)

介護大手コムスン(東京・港)の在宅介護事業譲渡で、三重県と熊本県の引受先が同業大手のセントケア・ホールディングに変更される見通しとなったことが18日、分かった。

これでコムスンの在宅介護サービス事業は47都道府県で譲渡が完了した。
事業受け入れ側の企業には、利用者のサービス質量の低下、職員の待遇悪化などが起こらないようにしてもらいたい。

編集人 by バジリコ at 10:18 | Comment(0) | TrackBack(0) | 【特集】コムスン問題

2007年09月18日

認知症の簡易問診ケータイサイトがオープン

認知症簡易問診サイト「ケータイで家庭のお医者さん」がオープン(インターネットコム)

「ケータイで家庭のお医者さん」は、無料の会員登録することで認知症の予防方法、危険度チェック、対処方法などのコンテンツが利用できるようになるもの。
危険度チェックでは、2択の12問の質問に応えるだけで認知症の危険度を診断してくれる。

監修するのは日本認知症ケア学会理事長の本間昭医師。東京都老人総合研究所に所属している痴呆症の権威ともいうべき人だ。
ケータイを扱って認知症の質問に答えられる人はその時点で認知症ではないとは思うが、広い意味で認知症への理解や普及を目指し、若年性など早期予防を狙ったものなのだろう。

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編集人 by バジリコ at 23:57 | Comment(0) | TrackBack(0) | 介護ビジネスの動向

コムスン事業譲渡、三重県でも辞退

コムスンの事業譲渡、三重県の業者も辞退(日経新聞)

介護大手コムスンの在宅介護事業譲渡で、第三者委員会から三重県の引受先に選定されていた共栄(四日市市、谷垣淳行社長)とコムスンの交渉が難航し、白紙の状態になっていることが18日分かった。条件面での交渉が不調に終わったためとみられる。

熊本県についで、三重県でもコムスンの在宅介護事業の譲渡交渉が失敗に終わった。
その理由については中日新聞が次のように書いている。
三重県内の譲渡白紙に コムスンと共栄、交渉決裂(中日新聞)

関係者によると、譲渡先に決定した翌日の九月五日から共栄とコムスンの交渉が始まったが、譲渡額などの条件面に加え、三重県内でも利用者の「コムスン離れ」が続いていることなどが影響し、交渉が不調に終わった。同県もこうした状況を把握している。

編集人 by バジリコ at 19:44 | Comment(0) | TrackBack(0) | 【特集】コムスン問題

コムスンの在宅介護事業譲渡で熊本の事業者が辞退

コムスン在宅介護事業の譲渡、熊本県で辞退(日経新聞)
介護大手コムスンの在宅介護事業譲渡を巡り、第三者委員会から熊本県の引受先に選定されていた熊進企画(熊本市、麻生伸一社長)が辞退を通知していたことが16日分かった。条件面などでの交渉が不調に終わったためとみられる。コムスンの在宅介護事業の譲渡では45都道府県ですでに契約が結ばれたが、辞退は初めて。

無事に終わったかにみえた、コムスンの在宅介護事業の譲渡。
都道府県ごとに譲渡先を分割していたが、その中で熊本県の事業者熊進企画が辞退を申し出た。コムスンと熊進企画との間で買わされた譲渡条件はわからないが、自ら名乗り出ておきながらそれはないだろう。
そのことに責任を感じているのか、同社社長は利用者がコムスン職員に対して詫びている。

コムスンは事業譲渡における基本的な考えとして、次の4点を挙げている。
@ 利用者へのサービスを将来にわたって安定的に提供する能力を有すること。特に在宅系サービスの移行先法人は、24 時間訪問介護サービス、過疎地や離島におけるサービス、障害者自立支援事業等における既存サービスを含めて提供する能力を有すること
A 利用者の権利保全のために、居住系サービスの移行先法人は、利用者との契約条件を利用者に対して一切の不利益なく全て承継すること、およびそのために必要な財務信用力を有していること
B 法令遵守に真摯に取り組む姿勢を有するとともに、介護事業に従事する者としての社会的責任を自覚していること
C 承継対象事業にかかる全従業員の雇用について、その労働条件を含め継続すること

これらの中で何か問題があったのだろうか。

編集人 by バジリコ at 19:02 | Comment(0) | TrackBack(0) | 【特集】コムスン問題

2007年09月14日

介護川柳の入賞作品が決定!!

株式会社Creator's NEXT主催の第一回「介護川柳コンテスト」入賞作品が発表された。
応募作品は600件を超えたという。

受賞作品は老人ホームマップで閲覧できる。

最優秀作品はこれ。
 ありがとう たった五文字に 千の意味(たつくり様)

いろんな情景が浮かぶ作品だと思う。そういえば、仕事でもプライベートでもきちんと「ありがとう」って言っていない気がする。
ちゃんと声に出すことが大事だなあ。

個人的にはこれが一番面白かった。佳作。
ちょいワルを 気取るつもりが ちょいボケる(福島海光様)

残念ながら、ちょいワルを生み出したLeon元編集長が立ち上げた雑誌は芳しくないようだ。余談でした。


仕事の息抜きとして、是非ご覧いただきたい。
次回があるならば、わたしも挑戦するしかない!

編集人 by バジリコ at 21:21 | Comment(0) | TrackBack(0) | ちょっといい話

富山県の療養病床群の削減、ほとんど効果なし

療養病床削減計画に慎重意見(北日本放送)

国の方針に基づき試算すると県内では5640床の療養病床の7割が削減されて1540床あまりとなり、これを県の財政面でみると医療給付費が50億円減る一方で介護給付費が41億円増えて結果として9億円の削減となり、削減効果率はわずか0.49パーセントにとどまるとしています。

おとといエントリした「介護施設への転換枠を撤廃(いまさら)」関連の情報。
富山県で介護療養病床削減したことによる効果はほとんどないという結果が発表された。

わずかな効果と、転換による膨大な事務処理。どちらを取るか。
各県でこうしたシミュレーション結果は発表されているのだろうか。

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編集人 by バジリコ at 19:38 | Comment(0) | TrackBack(0) | 介護保険制度

小樽市の介護サービズ事業者が不正受給

小樽市が734万円返還請求 介護報酬不正受給 勤務偽装(北海道新聞)
【小樽】介護報酬を不正受給し、今年六月に介護センターなど二カ所の介護事業者指定を取り消された小樽市の有限会社「エス・ケイ総合リフォームサービス」に対し、小樽市は十三日までに、新たな不正受給が見つかったとして七百三十四万円の返還を求めた。

加算金は最大40%。つまり悪質な不正受給だったというわけだ。
コムスン事件以前も以後も、こうした不正受給は後を絶たないし、手口も基本的には同じ。
今回監査したのは小樽市だ。法改正によって、これまで都道府県しか監査できなかったのが市区町村でも監査できるようになった。
監査ノウハウがなかった市区町村だが、都道府県単位でそのノウハウを伝授しているところもあるそうだ。

今後も全国各地で不正受給事件が噴出する(ばれる)可能性が大きい。

編集人 by バジリコ at 12:36 | Comment(0) | TrackBack(0) | 介護報酬不正受給

2007年09月13日

介護施設への転換枠を撤廃(いまさら)

介護施設への転換枠撤廃・療養病床削減で厚労省(日経新聞)

厚生労働省は長期入院する高齢者向けの療養病床を減らすため、2009―11年度の第四期介護保険事業計画で、療養病床を介護施設に転換する際の定員枠を撤廃する方針を決めた。療養病床に比べて運営費用の安い介護施設への転換を進め、医療費の抑制につなげる狙いだ。

どうした日経新聞。このニュース自体は今年7月ごろに流されたもののはず。しかし当ブログもそのときはお休みしていたし、せっかくなのでここで簡単にまとめよう。

療養病床は医療保険で入院する医療療養病床約25万床と介護保険で入所する介護療養病床約12万床がある。2012年度までにはこの介護療養病床12万床がゼロになり、代わりに新たに特別養護老人ホームなどを作り、高齢者を引き取るというわけだ。
今はその転換期間なのだが、その転換の足かせになっているのが市町村単位で決めている、施設のベッド数。なんでもかんでも作ってしまえばその分だけ介護保険料が高くなってしまう。そうさせないために、市町村単位でベッド数の上限を決めているのだ。当然だ。
その上限を取っ払ってしまえ! さっさと施設を作れ! というのが厚生労働省のお達しだ。

このことについての秀逸な記事を紹介する。
2007年8月号 療養病床転換・介護施設の定員枠撤廃(社会福祉法人信和会広報「なかよし」

一つは当然ながら大幅に介護保険料が増加する、負担が増大する。2番目は、それをさらに抑制する為には介護保険の一割負担が早いうちに2割負担にあるいはそれ以上に増加していく。3番目には、介護保険の負担を40歳以上から行っているけれどもその範囲をさらに広げる。

わたしは、厚生労働省は早期に介護保険財政を破綻ぎりぎりまで追いやることで、介護保険被保険者の拡大待ったなしの既成事実づくりを狙っているのではないかと勘ぐってしまった。

昨年2月に厚生労働省が通知した「療養病床の再編成について」によると、療養病床の入院患者のうち医師の対応がほとんど必要ない人は半数にも上るそうだ。緊迫した医療・介護財政の建て直しには、この社会的入院を1秒でも早く解決したいのだろう。
それはわかるが、果たして再編成は成功するのだろうか。

いくら新しい制度だとはいえ、国保などに比べてあまりに抜本的な法改正が多すぎる。右往左往しすぎているように感じる。
恐らく現場の人たちが一番感じているだろうが、制度改正が続いても、何かを積み上げていっている実感は持てていないのではないだろうか。

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編集人 by バジリコ at 22:11 | Comment(0) | TrackBack(0) | 介護保険制度

医療と介護費用、負担上限を引き下げ

医療と介護の利用世帯 負担上限引き下げ(読売新聞)

医療と介護にかかる自己負担の限度額を引き下げ、世帯の負担を軽減する厚生労働省の「合算制度」の全容が明らかになった。
 標準ケースで、現在は医療・介護の自己負担限度額の合計が年98万円であるところを、合算制度は年56万円まで引き下げる。厚労省は来月に政令を公布し、来年4月から制度をスタートさせる方針だ。

高齢者の介護・医療負担の上限が引き下げられた。
所得区分における、「一般的な所得」では、「75歳以上」は限度額が現行の年98万円から年56万円に、「70〜74歳」は年103万円から年62万円になるなど、おおむね4〜5割近く引き下げられたことになる。

実際のところ、果たして団塊の世代が本格的に、いわゆる高齢者になったときの影響はわからない。また、現状高齢者のうち、費用負担の上限を超える人が全体に占める割合もわからないのだが、とりあえずの朗報なのだろう。

ただ、当然ながら上限を超えた部分は保険料などで賄うわけで、社会全体でみれば、介護予防など根本的な取り組みが必要であることはいうまでもない。

編集人 by バジリコ at 01:35 | Comment(2) | TrackBack(0) | 介護保険制度

2007年09月12日

動物のふれあいを通して高齢者を元気にする

動物とふれあい、お年寄り笑顔 福知山の介護施設(京都新聞)
生き物を通じて精神的なやすらぎや、自分からかかわる積極性を取り戻してもらうのが狙いで、府が府内各地の高齢者、障害者施設を巡回している。この日は子犬や成犬、ウサギ、モルモット計33匹からなる「慰問団」が同苑を訪問した。

最近、暗いニュースばかりなのでたまにはこんな記事を紹介する。
リンク先にはかわいいイヌの写真もあるので必見!

いわゆるアニマルセラピーは高齢者だけなく、様々な病気に有効だという。またアメリカでは服役中の犯罪者が捨てられた犬を育てていく過程で更生する、という取り組みもある。

わたしは犬も猫も大好きなので、このアニマルセラピーはいずれきちんとまとめて記事にしたいと思っている。
いやあ、ほんと癒されるなあ(わたしの隣にも猫がいます……)。

編集人 by バジリコ at 03:18 | Comment(0) | TrackBack(0) | 介護予防と介護の工夫

2007年09月10日

ダスキン子会社の介護事業者が虚偽申請で指定取り消し

ダスキンの介護子会社、4事業所の指定取り消し、虚偽申請などで(日経BP社)
東京都は9月10日、ダスキンの訪問介護子会社ダスキンゼロケアの4事業所で、虚偽申請などの不法行為があったため、10月31日付けで該当する事業所を指定取り消し処分にすると発表した。

東京都では10カ所以上の事業所を持つ訪問介護事業者を監査しているのだという。コムスン事件もあり、今後ますます都道府県および市区町村の監査が厳しくなるはずだ。
昨年度の介護保険法改正によって、監理自治体の監理権限が強化された。
不正は断固許さないという姿勢で監査を続けてもらいたい。

当社子会社で公的介護保険サービスを提供する
株式会社ダスキンゼロケアへの東京都からの行政処分について(ダスキン)

編集人 by バジリコ at 21:12 | Comment(0) | TrackBack(0) | 介護報酬不正受給

青森の有料老人ホームで入浴中に死亡

介護施設で入浴中水死=84歳女性、職員目離した間−青森(時事通信)

森県弘前市富田の通所介護施設「デイサービス孔雀庵」の風呂場で、同施設2階の有料老人ホームに入所する女性が入浴中に死亡していたことが10日、分かった。

helpertownさんでも書かれているが食事介助以上に入浴介助は、事故リスクが高い。これは何も施設に限ったことではなく、自宅の浴室でも同じことが言えること。
お金を払ってプロの介護職員に介助を依頼しているのだからこういう事故は起こさないで欲しい、と利用者側は考えるかもしれない。
ただ、どんな仕事(医者であれパイロットであれ)でもミスは起こりうる。いわゆる、ヒヤリハット事例を見出し、ミスを極力なくすようたゆまぬ努力を続けるほかはない。

事故を減らす努力を続ける一方、施設側はこうした事故が起きた場合に備える必要もある。
介護関連施設における普及度合い・加入度合いというのがわからないのだが(ひょっとしたら加入は当然?)、商業施設・飲食店などではいわゆる、施設損害保険なるものが存在する。
介護関連施設を対象とした施設損害保険も存在するようだ。
こうしたものを含めたトータルなリスクマネジメントが本格的に必要になってくるのだろう。
面倒な話だが、これは施設と職員、ひいては利用者を守ることにつながるのだ。
介護現場の事故・トラブル防止法―よくわかる 介護事故を防ぐプロの仕事術 (介護の仕事基本とコツ)
田中 元

介護現場の事故・トラブル防止法―よくわかる 介護事故を防ぐプロの仕事術 (介護の仕事基本とコツ)
介護現場におけるリスクマネジメント・ワークブック―ノウハウからドゥハウ「どう取り組めばいいのか」へ 安全な介護―ポジティブ・リスクマネジメント 介護記録の教科書 介護事故とリスクマネジメント―法律家と実務家が多くの裁判例をもとに記す (高齢者・障害者の権利擁護実務シリーズ) 医療・介護施設のためのリスクマネジメント入門 (医療・介護施設経営入門シリーズ)
by G-Tools

編集人 by バジリコ at 20:49 | Comment(0) | TrackBack(0) | 介護の事件・事故

大腸からスプーン摘出後に死亡。事故か事件か

大腸からスプーン、摘出後死亡 東京・八王子、特養に入所の女性(東京新聞)
東京都八王子市上柚木の特別養護老人ホーム「多摩シルバーハウス」で、七月に死亡した入所者の女性(61)の大腸内から金属製のスプーンが見つかっていたことが分かった。(中略)同ホームによると、女性は四年前に入所したときには脳出血で左肩がまひし、水頭症を併発していた。会話が不自由で食事にも介助が必要だったという。

スプーンが直接の死因ではないそうだが、大腸には穴が開いていたそうだ。異食なのか誤飲なのかは不明だが、食事介助が必要な状態だったにも関わらず、スプーンを飲み込むところを誰も見ていなかったのだろうか。スプーンなんてぺろっと飲み込めるものでもないだろうし。
自分で食べられたのか否かが、スプーン誤飲の原因特定につながるだろう。

異食といえば、香川の障害者施設での事故は当初、虐待ではないか?という疑惑を含んだ報道が目立った。過去記事は探さないが、かなり印象操作的な記事が気になった。
胃に大量の介助手袋、障害者施設の入所男性が重体…香川(読売新聞)

わたしは現場を知らないが、施設において食事介助と入浴介助は、一度に大量の入所者をさばかなくてはならず、介護者に入所者にとっても付加のかかる時間だと思う。そこをいかにうまく、そして効率的にやれるかどうかが、職業としての介護職の腕の見せどころなのだろう。

編集人 by バジリコ at 20:18 | Comment(0) | TrackBack(0) | 介護の事件・事故

2007年09月08日

カオス化している介護保険

コムスンの巨額不正受給事件が明るみになって約1年が経った。懸念されていた介護サービス利用者とスタッフの受け皿は、先月ようやく決まった。
日本介護新聞でも、東京都によるコムスンへの立ち入り検査を報じた読売新聞の記事を紹介。
当時はコムスン側が強硬に報道内容を虚偽と発表していたため当ブログでも、場合によってはコムスンが読売新聞に対し、法的措置を取るか!?と書いた。
しかし実際は報道どおり、コムスンは東京都に立ち入り検査されており、その後の不正受給云々についてはご存知のとおりだ。
ちなみに、コムスンは読売新聞に対して正式に謝罪したという。

介護業界の巨人として君臨してきたコムスンだが、蓋を空けてみると、実態は税金や保険料をネコババしていた悪質企業だった。
この問題については、マスコミや専門家、そして世論もまだ「清算」しきれていない部分がある。わたしもまだこの問題について、頭のなかでまとめきれていないのが正直なところだ。
事業譲渡がひと段落したときぐらいに「コムスン問題」とはなんだったのか、ということを考えてみたい。

介護保険がスタートする直前、全国の市町村はコムスンやニチイ学館など全国へ展開する企業に対してはやはり期待していたと思う。
介護サービス事業者が選べるのがウリの介護保険だが、地方では地元の社会福祉法人や医療法人ぐらいしかサービスは提供してくれない。
そこへコムスンなど大手企業が参入していったことから、「うちにもコムスンさんがきてくれたので面子が保たれたよ」なんて語る人もいたほどだ。

「詐欺でもしなきゃ儲からない」と囁かれる介護業界。
曲りなりにも成功モデルだった企業は倒れ、そのほかの企業も虚偽申請などをしている介護業界はこの先どうなるのか。
結局、公的資金を大量投入してしまうことになるのか。
介護職と事業者側、利用者やその家族双方のモラルハザードは悪化しているが歯止めはきかないのだろうか。

編集人 by バジリコ at 17:21 | Comment(2) | TrackBack(0) | 【特集】コムスン問題

青森県内市町村の9割がもの忘れ検診を希望しない

認知症対策 市町村の遅れ目立つ(陸奥新報)

認知症対策について、県が市町村対象に行ったアンケート調査で、認知症早期発見を目的とする県のモデル事業「もの忘れ検診」の実施を「希望しない」と回答したのは35市町村(87・5%)と、9割近くに上ったことが5日、分かった。人員不足や業務多忙が理由。このほか、県が昨年度に配布した認知症関連のリーフレットについて、19市町村(47・5%)が「活用していない」「まだ読んでいない」と答えるなど取り組みの遅れが目立つ結果となった。

これほどまでに現場に受け入れられない、受け入れられない事業を立てた県が悪い。など一方的に責任をなすりつけるつもりはないが、必要な事業がほとんど活用されないのであれば、青森県の事業プラン自体見直す必要があるのではないだろうか。
事業内容や補助システムがわからないのでなんともいえないが、この県のモデル事業だって元は厚生労働省の案のはず。すると、その大元から正す必要があるのかもしれない。


しかし、いくら忙しいとはいえリーフレットの1冊も読めないほどではないはずだ。わたしは仕事柄、役所に電話することがよくあるのだが、みなさんもご経験のとおり、17時過ぎると担当者はすでに退庁していることもある。ただ、数年前に比べて夜中でも働いている役人が増えた気はするが……。

編集人 by バジリコ at 16:58 | Comment(0) | TrackBack(0) | 統計/調査結果

空き団地を介護予防の拠点に活用

団地空き地に介護施設 来年度から厚労・国交省 『団塊』高齢化に備え(東京新聞)

厚生労働省と国土交通省は八日までに、都市部の住宅団地で今後、団塊世代の入居者の高齢化が急速に進むことから、来年度以降、団地の空き地などに介護施設や孤立予防の拠点などを設置することを決めた。

数年前ぐらいに、廃校を介護や福祉などなど様々な活動に役立てようという運動があった。学校はその地域の中心地にあることや、設備が充実していることなどから、かなり多目的に転用できた。
この施策では団地の空洞化と入居者の高齢化に伴い、建て直しされる団地の空きスペースに介護・医療・福祉の拠点を設置しようというもの。
多摩、千里NTなど、高齢化団地に介護拠点づくり(朝日新聞)

国交省は、団地内の土地・建物の賃料を安くするため、用地費の一部を国が負担。都市再生機構が高齢者向けの優良賃貸住宅を整備する場合の地方自治体の負担を軽減するため、交付税措置も拡充する。また、団地のバリアフリー改修の際、介護しやすいようトイレや浴室などを広くする「介護対応住戸」の整備も進める計画だ。

首都圏のベッドタウン、特に団地では人口減少が著しいらしく、団地内のコミュニティもうまく機能していないという。またバリアフリーでなかったり、エレベーターすらないところもあるため、高齢者にはかなり利用しづらいのが現状だ。
建て直しのタイミングで、医療・介護関連施設・設備が追加されるのは大変心強い。あと5年10年もすれば団塊の世代が要介護状態になることは避けられない。もうちょっと早く取り組んでもよかったとも思う。

編集人 by バジリコ at 16:43 | Comment(0) | TrackBack(0) | 地方自治体の取り組み

2007年09月06日

カスピ海ヨーグルトが高齢者の便秘を改善

カスピ海ヨーグルトに高齢者への便秘改善効果あり(アメーバニュース)
一般的にヨーグルトは健康食材というイメージが強く、また要介護者もその摂取が容易なため優れた「介護食」として考えられていたが、今回フジッコはその整腸作用に焦点を当て、科学的にその効果を実証したといえる。


その科学的な効果など詳細は下記の記事を参照してほしい。
カスピ海ヨーグルトが要介護高齢者の便秘改善に有用であることを実証(ふくしチャンネル)
一般にヨーグルトは、食べ物の飲み込み(嚥下(えんげ))が困難な人や介護を必要とする人であっても、安全に食べれる食品とされている。いっぽう、ヨーグルトには整腸作用をはじめ、様々な健康効果が知られていることから、ヨーグルトは食べやすく、かつ健康機能を持つ優れた「介護食」だと考えられる。(中略)
カスピ海ヨーグルトは、要介護高齢者の腸内環境を改善し、それによりとりわけ強度の便秘傾向者に対する整腸効果が期待できると考察した。

高齢者は腸の老化や運動不足、消化不良(咀嚼しきれいない)、水分不足、薬の副作用などなど様々な要因で便秘になりやすい。

その対処法の1つとして今回のカスピ海ヨーグルトは効果的なのだそうだ。嚥下食の基準値を満たしているし、栄養もある。

カスピ海ヨーグルトの詳細はこちら。
カスピ海ヨーグルトオフィシャルサイト(フジッコ)


そもそもカスピ海ヨーグルトにオフィシャルサイトがあったことが一番の驚きだった……。

編集人 by バジリコ at 20:05 | Comment(0) | TrackBack(0) | 介護予防と介護の工夫

2007年09月05日

介護予防事業の普及は今一歩か

介護予防事業への参加、特定高齢者の13%のみ(四国新聞)
予防事業実施後に行ったアンケートでは、309人中223人が「状態が改善された」「維持されている」と回答しており、約75%の人が効果を実感している。
また、全高齢者に占める特定高齢者の割合は1・6%にとどまり、国の想定の5%や県目標の3・3%を下回った。県長寿社会対策課は「医療機関との連携を強化して、特定高齢者の把握にも努めたい」としている。

介護予防が介護保険に組み込まれたのは昨年度のこと。
まだまだ高齢者に対しての介護予防に関する普及が徹底していないと思われがちだが、実は現場が(1)介護予防どころじゃない(2)介護予防の重要性を認識していない(したくない) ことに一因ありそうな気もするがいかがだろう。

編集人 by バジリコ at 22:47 | Comment(0) | TrackBack(0) | 介護予防と介護の工夫

2007年09月04日

コムスン、分割譲渡の続報

本日、当ブログでエントリした「コムスン在宅介護サービスの移行先決定か!?」
では、コムスンの在宅介護サービスの移行先として挙げられたニチイ学館が「そんな話きいてねえよ」というリリースを出したことを紹介した。

新聞各紙でもこぞって、コムスンの譲渡先を報じているが、その元となったプレスリリースを見つけたので紹介する。

グッドウィル、コムスンの在宅介護事業で移行先法人と事業承継に関する協議開始(日経プレスリリース)
本日コムスンは、第三者委員会より事業移行計画において区分する「在宅系サービス」の事業を承継させることが適切な承継法人として、47都道府県別に承継法人※を選定された旨の答申を受けました。これについてコムスン内にて熟慮、検討した結果、第三者委員会のご意見を最大限尊重し、「在宅系サービス」につきましては、承継法人と事業承継についての協議に入ることと致しました。


その移行先の事業者リストはこちら(PDFファイル)

こうしてコムスンからプレスリリースが流されているわけだから、やはり移転先はほぼ確定ということだろう。

編集人 by バジリコ at 21:26 | Comment(0) | TrackBack(0) | 【特集】コムスン問題

コムスン在宅介護サービスの移行先決定か!?(加筆あり)

東京はジャパンケア、大阪はニチイ・コムスン「在宅介護」売却先(NIKKEI NET)

グッドウィル・グループは傘下に抱える介護大手コムスン(東京・港)の在宅介護事業の東京都分をジャパンケアサービス、大阪府分をニチイ学館にそれぞれ売却する見通しとなった。コムスンから売却先選定を委託された第三者委員会(委員長=堀田力さわやか法律事務所所長)が訪問介護大手の両社の実績を評価、4 日に正式決定する。

ようやく目処が立ったかに見えた、コムスンの業務譲渡。
しかしこの報道の後、ニチイ学館は次のようなリリースを流している。
ニチイ学館、「コムスンの在宅介護事業移行先」報道で「連絡受けてない」とコメント発表(日経プレスリリース)

当社は、グッドウィル・グループ株式会社の子会社である株式会社コムスンの介護事業移行にあたり、在宅介護事業について譲り受けの意向を表明し、グッドウィル・グループ株式会社および譲渡先を選定する第三者委員会に公募参加表明書を提出しております。

先の在宅介護事業の移行について、ニチイ学館に連絡する前にプレスに発表してしまったのだろうか。

※9月5日加筆。
実はこの日経新聞の記事。どうやら誤報だったそうだ。
コムスン報道で日経が誤報(産経新聞)

編集人 by バジリコ at 16:31 | Comment(0) | TrackBack(1) | 【特集】コムスン問題

2007年09月03日

特養ホームの施設長、部下に信頼されていない!?

特養施設長に職員不満 『介護何も知らない』 評価4割だけ(東京新聞)

調査結果によると、自分の勤める特養の施設長に「指導力がある」と答えた職員は29%、「責任者としての役割を果たしている」との評価は40%にとどまった。「高齢者に敬意を持った考え方で指導をしている」は46%と半数以下。「施設長には専門的な知識が必要だ」と考える職員は92%で、そのための「国家資格が今後、必要だ」との意見は71%に達した。

耳が痛い!という施設長もいるのではないだろうか。
すでに制度疲労というか、設計ミスというか、色々な面で破綻しつつある介護保険だが、こうした介護の現場ではとりわけ、その改善が急務のようだ。
特養ホームでの事件・事故が取りざたされているが、たとえば東京都・東大和市の「さくら苑」での入所者死亡事故とその後の対応のように、施設運営者側の不手際が表面化してきている。

施設長(上司)の能力不足を指摘する意見が多いが、その根底には次の2点が挙げられていると思う。
1つは、同族や天下り(出向)が多いということ。どちらも顔を向けているのは入所者でもないし、まして部下(スタッフ)でもない。
もう1つは、施設長になるための要件というものがないことだ。
そのための資格というものを作るのは難しいにせよ、記事でもあるように、職員の仕事内容を理解し、そもそも介護業界の実態を身をもって知るためにも、介護福祉士などの資格取得を義務付ける必要はあるのではないだろうか。
単純な金儲けではなく、経営を持続、発展させるための経営力というものを身に付けるためにも、こうした資格は必要なはず。というのは、そのことが入所者の評判をよくし、また職員の信頼を勝ち取る一助になるからだ。

そうした経営面からも、トップには進んで資格取得に励んでもらいたい。

編集人 by バジリコ at 23:58 | Comment(0) | TrackBack(0) | 統計/調査結果

2007年09月02日

東大和市の特養ホーム「さくら苑」は再生したのか

先月末に東京都・東大和市の特別養護老人ホーム「さくら苑」で起きた、入所者の事故死。現在、警察が業務上過失致死を捜査しているという。
この施設では昨年、職員が女性入所者に対して性的暴言を吐いたことが発覚。その後東京都などによる立ち入り検査にまで発展したことはまだ記憶に新しい。
その問題の後に起きた死亡事故なだけに、報道各社もこぞって事故を取り上げた。昨年末の事件を絡めて紹介するところもあった。

さくら苑は、昨年の性的暴言事件を反省し、様々な対策を打ち出していたにも関わらず、実態は自ら打ち出した施設方針(要介護者の移動には介護者2名が必要)を自ら無視してしまった。その挙句の事故だ。


どうしてこのようになってしまったのか。
過去の教訓は生かされていなかったのか。
それを探るために、改めて、性的暴言(虐待)事件を追ってみたい。

1.さくら苑で起きた「性的暴言」事件
まずは最初にさくら苑で起きた性的暴言問題を振り返ってみたい。
女性入居者に性的暴言 東大和の特養ホーム(共同通信060806)

同苑によると、1月21日、2人の男性職員が女性の排せつを介助した際、男性職員(30)が性的な行為をしてほしいとの発言をしたという。

通信社の記事は多少控えめだが、それでも職員が入所者に「性的な行為」を求めるような発言をした、としている。8月7日には東京都が緊急的措置として同苑に立ち入り調査を行った。

このことについて、さくら苑は下記のように謝罪した。
90歳女性に30歳男性ヘルパーが性的暴言…東大和市老人ホーム(スポーツ報知060807)
東大和市の指摘を受け、施設を運営する社会福祉法人多摩大和園は4日、事実を確認。女性の家族に謝罪した上で、5日に緊急理事会を開いた。暴言を吐いた男性を自宅謹慎7日間、一緒に介助していた男性を同5日間、常務理事と苑長を減給10%(1か月)、主任ヘルパーを減給5%(1か月)などとする処分を決定。第三者を含む調査委員会で、さらに詳しく調査することを決めた。



さくら苑は、こうした処分で幕引きしたかったのかもしれない。しかし、女性入所者の家族は「処分は軽い」と反発。同時に、500件を超える苦情が同苑に殺到した。
それに対して、さくら苑は慌てて次のように処分を見直した。
性的暴言の特養ホーム、施設長を解任 処分を見直し(朝日新聞)

虐待発覚後の5日、同苑はいったん職員を出勤停止5日〜7日間、苑長を減給10%(1カ月)とする処分を公表していた。しかし家族は「処分が甘い」と強く反発、同苑に9日までに約560件の苦情電話があり、処分を事実上見直した。

苑長解任…「性的暴言」特養ホーム、処分見直し(読売新聞060810)

ここで「特養ホームを良くする市民の会」の要望書を見てもらいたい。
「さくら苑」虐待事件に関する改善への意見書
2.前玉川施設長は辞任ではなく辞職処分が当然です。市民からはライセンスの剥奪が当然という声が届いています。さらに、施設の関係者からは、前玉川施設長の就任後、多くの事故が発生しているという内容の電話がありました。(平成16年度に約半年間で8件の骨折があったとの通報があります。さらに平成17年 11月に損害賠償請求の裁判に至っている事故もあります)
3.足利常務理事の辞任は当然です。ご家族に謝罪した時や一部メディアの方に対し、この事件を「コミュニケーションのつもりだった」「若者のギャグ」などと運営者としての適格性が疑われる発言とともに、今回の事件に対して最初に運営責任者としてとるべき責任が果たされているとはいえません。
 
ここで指摘されている足利常務理事が新たな苑長となり、第三者による「人権侵害問題調査委員会」が施設運営などについて調査を開始。委員は弁護士や大学教授など5名によるもの。
この時点で、施設は再生するものと思った人も多いはず。
しかし期待は見事に裏切られた。


2.茶番だった第三者による「調査委員会」
第三者による客観的な意見に基づいた調査が行われていたものの、今度は次のような事態に発展した。
職員暴言 さくら苑長が辞任表明 最終報告書の公表拒否(産経新聞061209)
外部の調査改革推進部門が5日の声明で「調査委の最終報告書が提出されて1カ月以上経過するが、遺憾ながら公表がなされないままとなっている」と同苑を批判していることについては、被害者らのプライバシーなどを理由に公表を拒否。「新体制に委ねる」とした。

このことについて、調査委員会だけでなく、東大和市の市議会も猛反発し、次のような決議を採択した。ソース元はPDFなので長文ながら引用させていただく。
東大和市 市議会 社会福祉法人多摩大和園の信頼回復に向け、「さくら苑」の早期改革を求める決議2006年12月(PDFファイル)

2月5日付の「調査改革推進委員会」の報道機関及び行政機関に提出された声明文によると、「経営に当たる管理者は、この苑の状態を直視し、これまでの事なかれ主義に陥ることなく、抜本的な改革を直ちに進めるべきである」と勧告し、また、「小手先あるいは形式的な改善・改革に甘んじるのではなく、抜本的な改革の完遂に向け、最大の努力をしてゆくことを、個々に期待する」と述べられている。
当市議会としては、本年第3回定例会において緊急質問、及び特別養護老人ホーム「さくら苑」に関する陳情を採択しており、改善を求めているところである。なお、現苑長の辞任が伝えられたが、責任回避ととられてもいたし方ないところである。
調査委員会が提出した最終報告書をさくら苑が公表しなかった事実、東京都及び東大和市が補助金の交付を留保している事実、及び改善報告書を受け、東京都と東大和市が立ち入り調査をした事実を重く受けとめるとともに、社会福祉法人としての責任の重さを改めて認識し信頼回復に向け、早期に東京都の改善勧告に従った苑の改革を行うことを強く望むものである。

このような状態のなか、公表されなかった報告書とはどのようなものなのだろうか。
多摩大和園、経営陣退陣求めた外部委員を全員解任(産経新聞)

同苑を運営する社会福祉法人「多摩大和園」は11日、改革委員会の外部委員3人を解任した。改革委は同日、「根本原因は、経営者の管理能力、経営者と職員の信頼関係の欠如にある」として大和園の経営陣の退陣を求める意見書を提出予定だった。

定着しない成年後見制度(3/7)(日経ビジネスアイ・浅川澄一編集委員)
同園は報告書が正式にまとまる直前に外部委員を突然解任するなど、「自己保身を図る」(外部委員の声明より)不可解な動きが目立った。組織運営のトップである理事長が実質的に不在であるなど、理事会の対応や構成に社会福祉法人としてのあり方を問われる多くの課題を残した。
 それは、相次ぐ不祥事を巡る企業の対応と比べるとはっきりする。同園は理事長を含めた6人の理事の内2人しか交代せず、病気療養のため長い間理事会に出席できない高齢の理事長が相変わらずトップに就いたままである。

いやはやなんとも。第三者による調査もすべて茶番だったわけだ。
気に食わない調査結果をもみ消すだなんて。そもそも第三者機関に調査させた意味がないではないか。
自分たちで調査委員会をコントロールできると思っていたのだろうか。そうした圧力をかけ続けたものの、それに屈しない外部委員を残らず首にしたのだろうか。

一見、苑長の首を挿げ替え、新体制でスタートしたかにも見えるが、その元苑長は本体の社会福祉法人「多摩大和園」の理事職はそのままだ。
いったい、何を反省し、世間に何を理解、信じてもらいたいのか。

このようなことを平然とやってのける社会福祉法人「多摩大和園」は今後も存在していくのだろうか。
今回の事故も、直接原因だけなく労働環境など背景要因などは明らかにされないまま、うやむやにされる可能性も十二分にある。
それを見過ごさぬよう、報道機関や専門家たちには頑張ってもらうしかない。

編集人 by バジリコ at 21:12 | Comment(0) | TrackBack(0) | 介護の事件・事故

2007年09月01日

高齢者を狙った悪質商法を防ぐための消費者力

悪質商法、架空請求…相次ぐトラブル 今こそ「消費者力」を(神戸新聞)

日本消費者協会(東京)主催による一般向けの「消費者力検定(消費生活能力検定試験)」が注目を集めている。四年前にスタートし、消費生活の知識を問う、年に一度の検定に挑戦する人は年々増加。悪質商法や架空請求など相次ぐ消費者トラブルを背景に、企業や学校、福祉関係者らさまざまな分野に広がりを見せている。

高齢者、特に認知症高齢者をつけ狙った悪質商法が後を絶たない。
卑劣な不当リフォーム契約は社会問題にもなった。

それを防ぐための“知識”部分を補強するための検定だそうだ。
こうした詐欺まがいの事件について、高齢者やその家族から問い合わせがあった場合の窓口は主に市区町村の担当課窓口。介護保険や保健福祉担当課だ。その窓口職員が必ずしも消費者問題に詳しいわけではない(むしろ詳しくない)。
そこで、こうした検定ニーズが増えているのだそうだ。
消費者力検定(日本消費者協会)


雑多ある検定関係のなかでも、実践的な知識が身に付けられるという点で有用ではないだろうか。

コムスンの不正受給に対し、横浜市がペナルティー

コムスンの不正受給による返還金は「4割増」(読売新聞)

「コムスン」の介護報酬不正請求問題で、横浜市は31日、同社が運営していた「横浜長者町ケアセンター」(同市中区、5月に廃止)が介護報酬9413万円を不正受給していたとして、介護保険法で認められている「ペナルティー」の上限である4割増を適用し、計1億3178万円の返還を求めることを決めた。

すでにことし7月時点で多くの自治体で不正受給が認められおり、コムスンに対する本格的な返還命令が出されてきている。

コムスンは、兵庫県内では1億4000万円を不正受給していた。
不正受給額は1億4千万円 兵庫県内のコムスン(神戸新聞)

兵庫県は二十八日、訪問介護最大手「コムスン」の県内の訪問介護事業所四十カ所(閉鎖を含む)を監査した結果、介護保険事業所の指定で八事業所で虚偽申請があったとして、八事業所の介護報酬の全額計一億四千百四十二万円を、利用者が住む市や町に返還するよう同社に指導した。同社は返還の意向を示しているという。


21、22日発の「コムスン」関連ニュース(読売新聞)
不正請求が確認されたのは東京、青森、宮城、茨城、栃木、群馬、埼玉、神奈川、長野、兵庫、岡山、香川の計12都県。監査中も20道府県あり、総額はさらに膨らむ見通しだ。青森、宮城など9県はすでに返還請求し、東京と神奈川も近く返還を求める。埼玉に対しては20日、コムスン側が自主返還を申し出た。


日を追うごとに不正請求額は増大しており、最終的にいくら不正受給していたのかは現時点では不透明だ。つまり、最終的な損失はさらに膨らむ可能性もあるわけだ。

編集人 by バジリコ at 18:00 | Comment(0) | TrackBack(1) | 【特集】コムスン問題

グッドウィルグループ、予想を上回る407億円の損失

グッドウィル・グループ、最終損失407億円に、介護事業の撤退費用かさむ(日経BP)
グッドウィル・グループは8月29日、2007年6月期通期の連結業績予想を下方修正し、最終損失を407億円とした。従来予想では300億円の損失としていた。介護関連事業からの撤退に伴う費用がかさんだほか、人材派遣事業で給与天引き分の返還に向け引当て金を計上したためという。

さてさて。当初予想の損失300億円をはるかに上回る407億円を損失した、グッドウィルグループ。言うまでもなく、原因はコムスン問題と人材派遣事業でのデータ装備費問題。

コムスン事業の切り売りはようやくスタートし、すでに有料老人ホームなど居住系介護サービスはニチイ学館に210億円で譲渡することが決まっている。
ニチイへの譲渡価格は210億円 コムスンの施設介護(朝日新聞)

事業譲渡されるのは有料老人ホーム26カ所と、認知症対応型のグループホーム183カ所。会社分割の手法でつくった三つの受け皿会社にコムスンの事業を移し、ニチイ学館に引き継ぐ。従業員約3000人も全員が移る。


在宅系介護サービスはどのようになるのか。進展を待ちたい。

編集人 by バジリコ at 17:45 | Comment(0) | TrackBack(0) | 【特集】コムスン問題

特養ホームさくら苑、介助に過失。要介護者死亡

「介助に過失」浴室で転落死 特養ホーム入居女性(朝日新聞)

東京都東大和市の特別養護老人ホーム「さくら苑(えん)」で、入居していた89歳の女性が浴室で頭を打って死亡する事故があり、同苑は29日、職員の介助の仕方と施設の管理に過失があったことを認めた。

すでにご存知のとおり、先月29日に東京都東大和市の特別養護老人ホーム「さくら苑」で入居者の死亡事故が起きた。

過去も1人で入所者移動 さくら苑死亡事故 職員の規則違反常態化?(東京新聞)
苑の規則では、入所者を抱えて移動する場合、職員二人ですることになっており、同法人は単独での移動が死亡事故の原因とみている。しかし、同法人の調査に、死亡した女性の入浴介護を担当した男性職員(51)は「以前にも、小柄な女性を一人で持ち上げることがあった」と証言。ほかの職員も、過去に一人で入所者を移動させていたことを認めた。同苑は春ごろ、単独で入所者を移動しないように、職員を指導していたという。


特養ホームさくら苑:死亡事故 「1人介護」常態化 /東京(毎日新聞)
同日、会見した米持苑長によると、男性職員は以前から1人で女性を抱きかかえてベッドに移していた。当時、浴室内にいた女性職員も別の入居者の入浴介護中で、落下を見ていないという。同苑はこうした「1人介護」を知りながら、指導を徹底していなかった。


この事故の原因はどこにあるのか。
さくら苑の責任者は、事故が起きた原因のひとつとして次のような3点を挙げている。
転落は過失との認識を示したうえで、(1)単独で介護した(2)職員の介護技術に問題があった(3)介護システムにも問題があった−などを事故原因として挙げた。

よくよく読んでみるとなんとも曖昧で、介護技術に問題のあった職員が単独で介護をしたことに問題があるような言い回しだ。

そうだろうか。

さくら苑は、介護職員が1人で介護していることを知りながら何らかの対策などを取っていなかったと報道されている。亡くなった入居者の心身状態がわからないが自立歩行ができない場合、その体を介護者1人で入浴介助させること自体、無理があるのではないだろうか。
昨年の性的虐待事件以降決めたのかどうかはわからないが、そもそも苑の規則では、入所者を抱えて移動する場合、職員二人ですることになっているそうだ。つまり、施設側も1人での介護の危険性は認識していながら、その1人介護を見てみぬふりをしていたのだ。

わたしは介護従事者ではないので介護の現場を知らない。しかしネットなどで調べるかぎり、その実態は苛烈を極める。数十人の要介護者を2人で、限られた時間のなか入浴させなければならない状況というのはいくらでもあるそうだ。


昨年8月に男性職員による女性入居者に対する性的暴言事件が起きたことは記憶に新しい。その後、東京都から介護保険法91条に基づく、改善勧告が出され、東京都などからの補助金が打ち切られたそうだ。
経営も厳しく、労働環境にしわ寄せが行っていることは間違いない。

だからといって、入居者を生死の危機にさらし、労働者を訴訟問題など法的社会的危機にさらすことは許されないと思う。


介護保険自体、抜本的に見直す必要があるのだろう。

編集人 by バジリコ at 16:58 | Comment(0) | TrackBack(0) | 介護の事件・事故